「サンデー銀次」5月31日号の 「ありがとう!お返事です。#51」 で、「サムデイ」の歌詞の聞き違い、「手をくれといわれても」の話をした。昨日ラジオを聞いていて、恥ずかしながら積年の聞き間違いを発見した。
それはイモ欽トリオの「ハイスクール・ララバイ」のサビ。
初めてきいたときからずっと、「100%さ、顔もいい」だと思いこんでいた。そんな、女の子を値踏みするなんて変な歌だなあと思ってたのは大きな勘違い。そんな歌があるわけがない。「100%片思い」だったんだ。そりゃそうだよね。
フツオ役の長江健次君は、1983年ソロで「Boy's Life」というアルバムを出したときに、なんと僕の「シンデレラ・リバティーなんて恐くない」をカバーしてくれた。その流れで1984年の彼のアルバム「屋根の上の招待状」では、僕が「恋のトリックスター」という曲を書き、サウンド・プロデュースをさせてもらった。「恋のトリックスター」をYouTubeで探したけど残念ながら見つからなかった。





6月18日の西荻TERRAのライヴに石田ショーキチ君がゲスト参加してくれることは、この「サンデー銀次」でお知らせした。まだ当日のパーフェクトなセットリストはできていないが、すでにショーキチ君と演るカバーの曲は、町田のお茶会で決まっている。もう喉元まで曲名が出てきているのだが、ここはグッと飲み込んで、当日までのお楽しみとしておきたい。ヒントを出しておこう。「ば」で始まるグループと、「り」で始まるアーティストの曲だ。これはわかんないだろうなー。

その代わりといっては何だが、僕の弾き語りによる「I Stand Alone」ツアーにゲスト参加してくれたアーティストといっしょに演奏したカバー曲を紹介したいと思う。

ギター1本の弾き語りツアー「I Stand Alone 2009」では全国35ヶ所をまわったが、7月の名古屋「TOKUZO」で、佐野元春 with ザ・ハートランドのキーボード奏者だったスウィート・ベイビー阿部ちゃんこと、阿部吉剛君にゲストで参加してもらった。
ほんとに久しぶりに会った。そしてひさしぶりにセッションした。
阿部ちゃんは静岡でお店をやりながら、JAZZY JAM DANCEHALLというユニットをやっていた。
せっかくだから、佐野君の「マンハッタンブリッジにたたずんで」を阿部ちゃんのキーボードで歌うことにした。

この曲には思い出がある。ちょうどアルバム「サムデイ」を作っていた頃、「ナイアガラ・トライアングル vol.2」の話が決まった。やったー、それはそれでうれしかったのだが、「サムデイ」の中でもきっと中心的存在になる曲だった「マンハッタンブリッジにたたずんで」、リズム・トラックを録っているときからいい曲だなと思っていたこの曲を、大瀧さんはどうしてもvol.2に入れたいというのだった。さすが目利きのきくプロデューサー。「サムデイ」も大切なアルバムだったが、あの時の佐野君にとってvol. 2もとても重要なアルバム。かくして「マンハッタンブリッジにたたずんで」はvol.2に収められることになった。その曲の代わりに佐野君が書いたのが「うるわしのドンナアンナ」である。

思い出ついでにクリストファー・クロスの「アーサーのテーマ」をやろうということになった。
佐野君のまだブレイク前、クリストファー・クロスのフロント・アクトをやれることになった。
当日はセッティングの手間をなくすために、クリストファー・クロス・バンドのアンプやドラムなどのセットを借りることになっていたが、佐野君とハートランドが会場の中野サンプラザに入ると、何かの手違いで、クリストファー・クロス・サイドがそんな話は聞いていないという。えーっ、それはないだろう。単なる連絡ミスか、バンドのいじわるかは定かではなかったが、結局、情けないことに、借りなくてもいい、会場のアコースティック・ピアノと、ダディ柴田さんのサックスだけで佐野君のライヴが行われることになった。当然だが曲目も限られてくる。それでも佐野君、一言も愚痴をこぼさず気丈にクールにライヴを務めた。
ダディさん以外のハートランドのメンバーは、みな悔しい思いを胸に、佐野君のライヴをただ見守るだけだった。舶来屋の産婦人科の思い出と共に忘れられないエピソードだ。

そんなことをMCで話しながら、クリストファー・クロスの「アーサーのテーマ」を、阿部ちゃんのピアノで歌った。クリストファー・クロスには何の恨みもない。尊敬するソングライター、バート・バカラックの曲が歌えてうれしかった。


Arthur's Theme



ママレイド・ラグの田中拡邦君の好きな音楽が、思いのほかブルージーだったのは意外だった。
きっと大瀧詠一さんの曲が好きなんじゃないかなというのが、僕のイメージだった。
ゲストに来てくれると決まって、僕が提案したカバー曲は、はっぴいえんどの「十二月の雨の日」、そして大瀧さんのソロの「うららか」だった。もちろんこの2曲ともばっちり感じが出ていたのはいうまでもないが、田中君自身がカバーに選んできたのは、意外にも、クリーデンス・クリアウォーター・リバイバルの「Who'll Stop The Rain」だった。





はっぴいえんどや大瀧さんのことを好きになったのは彼のお父さんが教えてくれたからだという。それまではブルース・ロックやスワンプ・ミュージックのような男くさく泥くさい音楽一筋だったようである。聞いてみたからわかったよだ。

そういえば、初めて田中君と一緒にステージに立った、青山陽一くんの2005年12月25日SHIBUYA-BOXXでの「Broken Words And Music」を思い出す。たくさんのゲストに混じって僕も呼んでもらった。その時、青山、田中、銀次のトリプル・ギターで、クラプトンの「Steppin' Out」を演ったとき、驚くほど見事なブルース・ギターを弾いていた。田中君にもトッド・ラングレンのような、ギタリストとしての顔とヴォーカリストとしての顔の、2つの顔があるようだ。





僕のツアーにゲストに来てくれたアーティストとカバー曲の話、いかがですか?
次回もこの続きを。uncle-jamの相棒、黒沢秀樹君との出会いの話も出てくるのでお楽しみに。