一昨日は、ギター1本の弾き語りで全国35カ所をまわったツアー「I STAND ALONE 2009」のオフライン・チェックをしていた。2009年2月20日名古屋に始まり、12月23日の東京ファイナルを迎えるまでの約25曲のライブ&メッセージ映像が、時系列にそってリアルに構成されていた。
同じ曲を複数の会場のものを使って編集してあるのが、おもしろい効果を出している。どこのライヴハウスでも、どの曲もほとんど変らないテンポで演奏していたのには自分でもちょっとびっくり。
さらにもうひとつのうれしい驚きは、月日を追うごとに顔つきや、演奏・歌が如実に変化していくのがよくわかって、まさにライブドキュメントと呼ぶにふさわしいDVDに仕上がっていたことだ。やっておいてよかった。2月20日にSilvertoneサイトから先行通販をスタートするらしいので、ライヴに来た人も来れなかった人もぜひ見てくださいね。自分で言うのも照れくさいが、すごく見応えのある内容だから。予約の受付は1月末からの予定だそうです。お楽しみに。



まだそのDVDの映像は流せないので、かわりにツアーの宣伝用スポットを。New Lifeです。


最近の洋楽のCD再発化もいちおう一回りして一段落してきたような気がする。そうなると、ひょっとしてなんて淡い期待を抱いていたアルバムがいっこうに出る気配がなければ、ほぼあきらめの境地にはいってくる。そんなあきらめかけてたというか、どちらかというと、もうすっかりあきらめきってたアルバムがなんとCD化された。ほんとかなー。いま手元にあるのにまだ信じられない。マイケル・オマーティアンの「ホワイト・ホース」がそのアルバム。発売は日本だけかな?発売元のUSMジャパンにはほんとに大感謝です。


ホワイト・ホース(紙ジャケット仕様)/マイケル・オマーティアン

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マイケル・オマーティアンといっても知らないひとのほうが多いだろう。いまはナッシュビルにいるみたいだが、かってのL.A.ミュージック・シーンの黄金時代を担ったプロデューサー/アレンジャー/キーボーディストだ。彼のプロデュースで有名なのは、クリストファー・クロスのデビューアルバム(邦題「南から来た男」)。このアルバムとシングルの「Sailing」は1980年のグラミー賞5部門を独占した。
他にもホイットニー・ヒューストンやマイケル・ボルトンなどを手がけ、あの「We Are The World」はなんと、クインシー・ジョーンズと彼との共同プロデュース作品なのだ。

僕が最初に彼の名前を知ったのは、ロギンス&メッシーナの1stアルバムの「Sittin' In」。続くロギメナの「Loggins & Messina」「Full Sails」と、初期の3枚にキーボード奏者として参加し、「Thinking Of You」でのクラビネットなど、アレンジ面でずいぶんとサウンドに貢献していた。





1974年「ライトミュージック」という音楽雑誌でレコード・レビューを担当していたときに、彼の初のソロ、この「ホワイト・ホース」が僕の分担としてまわってきて、1曲目の「Jeremiah」のかっこよさにぶっ飛んだ。続く2曲目の「Fat City」のファンキー・サウンドも素晴らしくて、バックメンだとばかり思っていた彼の印象が音を立てて崩れ落ち、彼のオリジナリティにひき込まれてしまったのだ。もちろんその月のレビューの一押しに決めた。

だが如何せんあまり売れた形跡がなくて、現在に至るまで、どんなミュージシャンの口からもこのアルバムのタイトルや彼の名前が出たことはなかった。たぶん、いや、まちがいなくこのアルバムのCD化を、こんなにも喜んでいるのは世界中でぼくだけじゃないかな、と思っていたら、なんとこのアルバムの2曲目「Fat City」をカバーしている、Ole Børudというミュージシャンの映像を発見した。





Ole Børudと書いてオーレ・ブールードと読む。なんとノルウェーのアーティスト。iTunesで視聴してみると、「ノルウェイのスティーヴィー・ワンダー」とか「ノルウェイのジャミロクォイ」って感じだった。70~80年代のウエスト・コーストAORの影響をかなり受けているらしい。
だからか。きっと「ホワイト・ホース」のアナログ盤を持っているにちがいない。よかった。マイケル・オマーティアンの「ホワイト・ホース」のファンは世界で僕一人じゃなかった。


シェイキン・ザ・グラウンド/オーレ・ブールード

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でもひょっとしたら、このうれしさはオーレ以外の誰にも伝わらないかも知れない。今日はひさびさにマニアックな話題で失礼いたしました。