こないだ渋谷のタワーで衝動買いしたNME RADER。NMEは英国のNEW MUSICAL EXPRESS誌の略。副題にTHE BEST NEW ARTISTS of 2010とうたってあったので、最近のロック・シーンにはとんとご無沙汰になっていたので、チェックしておこうぐらいの、軽い気持ちで購入した。


NME Radar: the Best New Artists 2010/Various Artists

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しばらく忙しかったのでそのままになってたのを、3-4日前からBGMがわりに聞きはじめた。曲とグループ名をクレジットで照らし合わせず、何度かリピートして聞いていると、いつもその曲の番になるとBGMではなくなり、回を追うごとにじわじわぼくの心にはいり込んで来る曲があった。切ないメロが琴線をわしづかみにする。クレジットを見るとAvi BuffaloというグループのWhat's In It For?という曲。さっそくYouTubeをチェックした。





ザ・スミスのHeaven Knows I'm Miserable Nowを初めて聞いたときの10倍は切ない感じ。
アヴィ・バッファローは、アヴィことアヴィグダー・ザーナー・アイゼンバーグ (Vo&GTR)、シェリダン・リレー(Drs)、レベッカ・コールマン(Keyboard)、アリン・ファジオ(Bass)からなる、カリフォルニアのロングビーチ
出身の4人組らしい。ドラムとキーボードが女の子である。今年の5月にデビュー・アルバムが出ていたが、まったく知らなかった。
さらに他の映像を探してみると、なんとこの曲をアヴィひとりで歌っているヴァージョンが見つかった。これがとてつもなくいい。声もギターもすばらしい。なんて切ない曲なんだ。ここ何年かこんなに心にふれてくる曲には出会ってたことがない。




どうやら天才に出会ってしまったようだ。なんだか胸の中がざわざわ、背筋がゾクゾクしてくる。ありそうで意外となかった新鮮なメロディ・ライン。ソング・ライティングに天性のきらめきと才能を感じる。
その名はアヴィグダー・ザーナー・アイゼンバーグ。





さっそくアルバムを買って来た。どこかヴェルヴェット・アンダーグラウンド、エリオット・スミスとか、
ジョン・レノンだったりニール・ヤングとか、すぐ例えたくなるが、そんなことをしてもまったく無駄な気がしてくる。アヴィはアヴィ。逸材現る。なんと19歳らしい。恐るべし、心地よし、比類なし。

アヴィ・バッファロー [ボーナストラック付]/アヴィ・バッファロー

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静かな曲ばかりでなく、テンポのある曲もキラキラした青春の輝きに満ち満ちている
これから注目していきたいとアーティストが見つかった喜び。アルバム、全曲いい曲で、切り口が新しい。
この曲も美しいWhere's Your Dirty Mind?って、なんて扇情的で魅力的なタイトルなの?





アヴィ・バッファロー、こんなすごいミュージシャンが出てくるなんて、2010年代のロック・シーンも捨てたもんじゃない。やっぱりブームや人数ではなく、たった一人でも二人でも、才能のある人が出てきてシーンを面白くしてほしいと、あらためて思った。