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ニュー研のブログ『ニュー研へようこそ、ゆっくりしていってね!』

呼吸器疾患と認知症を専門分野とする看護師のブログです!

 人工呼吸器の第2回です。まだモードの話は出てきません。ゆっくりと一つずつやるのが好きなんです。今回は従量式と従圧式についてです。馴染みのない言葉なのでこの時点で苦手意識がある人は「また時間がある時にやろーっと」となるのですが、そういっているといつまで経っても前に進めないので今回も一歩前に進むためエイヤ!と読んでみましょう。

 人間は息を吸って吐いて呼吸をしますね。吸うというのは外にある空気を肺に取り込む作業です。で、吸った後は吐きます。人工呼吸器は呼吸を助ける器械なので空気や酸素をトッピングした混合気体を肺内に送り込んでくれます。そう、送り込むんですがどうやって送り込むかは患者さんの状態によって変わります。

 まずは前回お伝えしたように人間は大体500mlの量の空気を一分間に12回から16回位吸って吐いてします。じゃあ500mlの量の空気を一分間に12回から16位送れれば良いんじゃない⁉というのが「従量式/volume control ventilation(ヴォリュームコントロール)」という方法です。患者さんの身体が小さければ500mlより少ない量を設定してその人の肺の容量に合う量を送り込む感じで「必要な量(ヴォリューム)」でコントロールするよ!という考え方です。凄く正確に器械がバギングをしてくれるイメージです。

 これで良いんじゃない?と思うんですがこの方法には注意が必要です。肺内に空気を送る際には圧力が掛かります。送る量が多くなったり、送る速さが速くなればその分気道や肺内に掛かる圧力は高くなります。するとどうなるのか?肺に病気があって肺自体が弱い患者さんや胸郭が変形していてどちらかの肺に偏って送気されやすい患者さんであれば時として肺がその圧力に耐えられず破れてしまう(気胸になる)リスクがあります。そうなれば命にかかわる可能性があります。

 じゃあどうしようとなった時に登場するのが「従圧式/pressure control ventilation(プレッシャーコントロール)」という方法です。これ位の圧であれば安全だろうという圧を設定して圧力をかけて送気する方法です。これなら肺が弱かったり、胸郭が変形している患者さんでも比較的安全に呼吸を助けられるという方法です。めでたしめでたしということです。しかしこの方法も良いことばかりではなく、圧で送るとなると○○mlは欲しい!という時には従圧式よりに比べて量のコントロールは劣ります。どちらの方式も良い部分があれば、気をつけないといけない部分もあるということです。

 例えば肺は問題ないけれど呼吸中枢や呼吸をつかさどる神経や筋肉が上手く働かない筋萎縮性側索硬化症や筋ジストロフィー、脊髄損傷といった神経疾患や意識障害のある患者さんは従量式、COPDのような呼吸器疾患や胸郭変形がある患者さんは従圧式という風に使い分ける工夫がされていると思います。

 呼吸器を見ると従量式はVCV(volume control ventilation)とかVCと標記されていますし、従圧式はPCV(pressure control ventilation)とかPCという風に表記されていますので、ベッドサイドに行ってこの人の疾患は○○だから換気方式は従量式/従圧式か~ふむふむ。という感じでみるとまた理解が進むと思います。答えはベッドサイドにあるので、どんどんベッドサイドに突撃しましょう!

 

続く