
先日、テレビで害虫駆除の特集をやっていた。
年に何回か放送されるこの類の番組。
ついつい、なんか見ちゃうんだよなぁ。
この日はまた特にすごくて、おなじみのハチの巣からはじまり、
アライグマやらネズミやらとの格闘劇が繰り広げられていた。
ちなみに、けしごむにとっての3大害虫とは、
SNSでいうところの、『G』と『S』と『H』である。
Gとは例のあれであり、Sは夏にうるさくとんでいるあれであり、
Hとは小羽根のある生き物全体をさす。
ビーンとかブゥゥンという羽音をたててとぶもの全般である。
あるとき会社で、ファイルを取ろうと棚をあけたら
みたこともない大きさのGと目があったのだった。
やつはじっとしながら「やっべ、見つかった…」と言い、けしごむは
「ぐぇっ」と言ったまま、しばらくにらみ合い、そろそろと殺虫剤を取ると
おもむろに噴射体勢に入った。
ヤツはそこでもう気づくのある。
自分の最期が近いことを。
しかし若いGはそこで、経験がないため慌てだし、撃たれる。
ベテランのGともなると、そこはさすが。
じーーーーーーーーーーーーーーーーーーっとしているのだ。
こちらが諦めたり気味悪がるのを楽しむかのように。
そして、ほれ、ほれ、くすり。かけちゃうよ? とでも言わない限り
ノタノタと歩いているだけなのだ。
こんなふうに冷静に書いているが、実はけしごむ、この世で何より怖く
大っっっっっ嫌いなのがこのGやSなのだ。
だからもしも見つけた途端、誰かが傍にいればぎゃあとだけ叫び
部屋から飛び出て仕留めるまでは入らない。
しかし一人だったときは、先に書いたようにやるしかないのだ。
この日も、ほれほれと殺虫剤をちらつかせても全く動じないベテランGのせいで
調子くるいながら「おかしいなぁ、ここでササササと逃げるはずなのに」とでも
言いながら、噴射するしかなかったのだった。
この手の薬。改良された、すごくなったと言いながら
開発者は成分のことだけにしか目がいかないのだろうか。
問題は、薬より先にエアが出てしまうことなのだ。
それで吹っ飛ばされそうになったやつらが驚いで、あの恐ろしい羽音を立てて
飛ぶこともあるだろうし、わざわざどこかの隙間に親切にも飛ばしてあげてしまうことも
あるだろう。
先に薬が噴射されてくれなければ、本末転倒なのである。
この日もそうだった。
しかし、しかし、しかし。
狭いこのスペースの中で、仕留められず定時まで一生後ろを気にして仕事をするくらいなら
今、確実にやるしかないのである。
あぁやるしかない。もう覚悟を決めなければ。
シミュレーションを瞬時にしたら、スプレー缶を少し離す。
エアが直撃されないよう決めて薬まみれの家具を捨てる覚悟で一気に噴射。
その時は、なぜかたまらなくなり、全身のエネルギを指先に注いで
うぅぅぅぁあああああああああああああぎゃあぁxxxxxxxxxxxx!
と叫びながらやる。
ベテランGは、相当な『ご老G』だったようで、もたもたしながら
アスクルのカタログのそばで「さよならのダンス」を踊っていた。
精神的にも肉体的にもクタクタになったけしごむは、そのまま風呂に入りたかったが
そこは風呂のない会社。仕方がない。
二の腕のあたりまで袖をまくり、水道でジャバジャバ腕を洗った。
病的に手を洗ったのだった。
さてとあいつは動けなくなったはずだろう。
上司にでも始末をさせるとするか。
あぁ、掃除が大変だ。
さぁて…………と……
ん?









うぅぅぅああああああああああーーーー!
いーなーいーーーーーーーー!
いないイナイいないイナイ!!!!!!!
あんなに薬をかけたのに、目を離した隙に、どこかへ行く。
それがGT(Gのトラップ)なのだ!
そこからはもう仕事にならず、2~3分おきに後ろを振り返って首も痛くなり
とんだ目に遭った。
翌日にはまたどこかへ移動してしまうと思い、気が気でならず
おおよその行方が追える定点カメラがダメなら本気で転職を考えた。
そして翌朝、軍手をして(なんでだかわからないけど気持ち悪くて)棚をそろそろ開けると
やはりおらず

「そこまで薬をかけたんだから、もうおダブツだってば(怒)!」
半ば上司にキレられ呆れられ、仕方なく業務につき、夕方になった。
しかしここで油断をさせておいて、忘れたころに第二のGT。
これが命尽きてなお、人に嫌がらせをするGの特徴なのだ。
夕方になり、いつもの宅急便集荷の時間のころ、梱包用の袋を出すため
一番下の段から袋を引っ張りだしたら
「ぐえぇっ!!!!」
自分の最後をアピールするかのように、やつはひっくり返っていた。
心臓がバクバクし、脇汗びっしょりになったのだった。
もう動かないはずなのに(←まだ信じてない)。
どうしてあんな姿なのか。
そしてなぜあんな色なのか。
絶滅を願うばかりである。
【本日の消しゴム】
内容とはうらはらに、明るいものを。


