だいたい夫は信じてくれない

 

 

※画像はお借りしているものです。

 

ネトフリでおススメされた作品。

タイトルがなんか嫌、何となくヒッチコックっぽいタイトルだ、内容もヒッチコックっぽいサスペンス劇で部屋の電気を暗めにして観たらかなり嫌な雰囲気でドキドキした。

 

夫の仕事の関係でルーマニア・ブカレストに引っ越してきたアメリカ人女性ジュリア(マイカ・モンロー)。

ルーマニア語が分からず、コミュニケーションが全く取れない。

夫は仕事一辺倒で不在がち、知り合いもなくただ孤独感を募らせていくばかりだった。

ジュリアはある日、向かいのアパートからの視線を感じる。

向かいのアパートの窓から男がずっと見ているようだがはっきりと確認できずに確証が取れない。

やがてジュリアはこの男に付きまとわれているような感覚に陥り、常に恐怖に苛まれるようになる。

夫や警察はまともに取り合ってくれず、言葉が通じない寂しさもあって彼女の孤立はさらに加速する…

 

ちょっと古めかしい設定ながらストーキングというと現代っぽい問題のように感じる。

そのため古臭い感じがしない作品だ。

ストーキング性というのは少なからず誰しもが持ち合わせていることだと思う。

ただ、どこまでをストーキングとするのかはかなり難しいところだろうな。

いつの間にか気になる人を視線で追いかけてしまう、気になる人の近くに座る、気になる人について行く…、実際に何らかの行動を起こしてしまうのは完全にアウトだけど、つい見てしまうなんてことはよくあることだと思う。

ただ、女性の場合はつい視線を向けられるというのでもすごく不快なんだろうな。

言葉の壁のストレスって想像以上だろうな、周りの会話が全く分からず、何を話してるんだろうという不安が恐怖に変換されるんだろう。

周りの言葉が全く分からない恐怖ってすごいだろうな…

実際、ルーマニア語の部分は字幕が全く入らず妙なもやもや感を感じた、ただ映画を観ているだけなのに…

映画の冒頭ではタクシーの中で運転手が発する言葉を夫が訳してジュリアに伝えるが、どう見てもやんわり訳してるように感じ全部を正確に伝えていない様子がわかる。

こういうところからさらに疎外感に拍車がかかるんだろう。

いったんそういう感覚に陥るとすべてが疑心暗鬼になって自分の殻に閉じこもってしまうだろうな。

異国で知り合いもなく、まったく言葉が通じずにコミュニケーションが取れないんだから当然だ。

そして自分の考えすぎと無理やり飲み込もうとするが、やがて自分自身を信じられなくなってしまうのが最大の恐怖だろう。

終わりはありふれた展開でちょっとがっかりしたけど、全体的にはかなり完成度の高いスリラーだったと思う。

でも2回は観たくない嫌な映画だ。

 

 

  鑑賞メモ:NETFLIX