昭和の香りがぷんぷんする傑作ドラマ。主演はゆりあんだけじゃなく唐田えりかも合わせたW主演にすべき!

 

 

※画像はお借りしているものです。

 

これまた話題の『極悪女王』、公開されるのをめっちゃ楽しみにしてたやつなんだけどやっと観たよ。

80年代のプロレスブームの時、圧倒的なカリスマヒール・ダンプ松本の半自伝ドラマだ。

あの頃、確かにプロレスはブームだった。

ゴールデン枠ではどこかのチャンネルでプロレス放送してたし、金曜なんて「太陽にほえろ!」観る派と「プロレス中継」観る派に分かれてたと思うし、銭湯に行ったらいつもプロレス興行のポスターが貼ってあった。

おれ、プロレス観なかったし、家に一台しかなかったテレビではいつもじいちゃんが時代劇観てたからあんまりプロレスに精通してるわけじゃないんだ、スター選手の名前ぐらいしか知らないんじゃよ。

でもダンプ松本は誰でも知ってるはずだけど、今の世代では知らない人がほとんどなんじゃないか?

 

公開前から超話題だったこの作品、主要キャストはゆりやんレトリヴァ唐田えりか剛力彩芽

大丈夫なのか?この布陣で、というのが正直なおれの感想だった。

ゆりやんはどう見ても極悪には見えないし、唐田えりかはどうも不倫騒動でイメージ悪くなってしまって色眼鏡なしで見るのがちょっと難しい、剛力彩芽はお騒がせ女優のイメージでなぜかランチパックがちらつく…

といっても配信開始を心待ちにしていて、9月19日に配信が開始されると何回もリピートして観てたんだよ。

 

松本香(ゆりやんレトリヴァ)は、内職で家計を支える母(仙道敦子)、妹(西本まりん)と貧しいながらも明るく暮らしていた。

別居するクズの父親(野中隆光)はたまに家に戻ってきては金を無心し、そのたびに家は修羅場と化していた。

高校を出てパン屋に勤めるようになった香だが、ある日、ふとしたきっかけで「全日女子プロレス」の練習を見る。

当時一大人気を誇り、歌手としても活躍していた「ビューティーペア」の一人ジャッキー佐藤(鴨志田姫夢)の姿に魅せられ、全日のオーディションを受け合格する。

大親友の同期の長与千草(唐田えりか)とは互いに励まし合っていつかリングのスターになることを夢見ていた。

しかし長与千種はもう一人の同期・北村智子(ライオネス飛鳥:剛力彩芽)と「クラッシュギャルズ」というペアを組み人気がぐんぐん上昇する。

くすぶる思いの中、会社から悪役への転向を命じられた香は「ダンプ松本」と改名し、傍若無人に振る舞い、残虐の限りをつくす。

 

クラッシュギャルズは人気が出る一方、プロレス以外の仕事が入ることに不満を覚えるライオネス飛鳥とプロレス以外の仕事もプロレスの一環と考えるが、試合に勝っても負けても自分がフューチャーされることに違和感を覚える長与千種にはすれ違いが芽生え始める。

 

ダンプ松本は流血試合を繰り返し、ついに会社もダンプをコントロールできなくなる中、長与千種との「敗者髪切りデスマッチ」が実現する。

 

この布陣で大丈夫か?とか思ってしまった自分をどつきまわしたい。

ごめんなさい、この3人すげぇ、最初の2話ぐらい、ゆりやんがあまりにTVで見るそのまんまなんで絶対レスラー無理やんって思ったんだけど、後半は凄まじいのひとことだ。

体格も段違いに変わってたし、凶悪でありながら繊細、ゆりやんにこんなことができるとは。

唐田えりかもレスラーには見えない、ほとんどスタントなしで自らレスリングシーンを演じたらしいが女優ってほんとにすげぇな。彼女はイメージが悪くなっちゃったけどやっぱりかわいいし、演技もすごい。(レスラーにしては声がかわいすぎるけど)

そして剛力彩芽、おれのイメージの中でははっきり言ってアイドルの延長で女優というイメージはなかった。

彼女が出演してる代表作も思いつかない(唐田えりかも)。

しかし、この作品に凄みを与えてるのは間違いなく剛力彩芽だと思う。(名前もレスラーっぽいし)

 

これ、ちょっと絶句するほど傑作ドラマだぞ。

油断したらおしっこ漏らしてて、そして漏らしてても気付かないレベルですさまじいんだよ。

いいのか?こんなの放送して。

はっきり言って“放送禁止”レベルだぞ。

ネトフリ最強だな。

コンプラが叫ばれる今じゃ地上波で放送されることはないけど、あの頃は流血試合とかTVで中継してたんだもんな。

ちょっと信じられない。(おれ、観たことあるかも)

ラスト2話の壮絶さはマジですげぇ、なのに最終回では涙が止まらんかった。

 

同期の長与千草がどんどん人気者になり、自分だけ置いて行かれる香の孤独感、そして家族への愛憎から松本香からダンプ松本に変貌する瞬間、親友・千草とのすれ違いから実現した髪切りマッチ。

ダンプの引退試合で繰り広げられる同期との一戦、これらが全5話の中に凝縮されているのだ。

とにかく一気に観てしまうこと必至。

もちろん、半自伝ドラマと言いながら脚色もあるだろう。

しかし、極悪非道なヒールであり続け優しすぎる松本香の物語りを観れたことに感謝したい。

 

 

  鑑賞メモ:NETFLIX