視覚的ではなく感覚的なホラー

 

 

※画像はお借りしているものです。

 

カナダ産の心理的ホラーをネトフリで。

タイトルがすごく詞的で美しい、なんだか芸術を思わせるようなんだけど所詮ホラー映画なんだよな。

 

看護師のリリー(ルース・ウィルソン)は、ホラー小説の小説家ブラム(ポーラ・プレンティス)の家で住み込みとして世話をするという仕事に雇われる。(リリーは超怖がり)

ブラムは家で死を迎えることを望んでいて、リリーはその介護をすることになったのだ。

ブラムはなぜかリリーのことをポリーと呼ぶ。

ポリーとはブラムの代表作の小説『壁の中の淑女』の主人公の名だ。

リリーは『壁の中の淑女』を読み始めるが、怖がりのリリーにはとても恐ろしく、途中で読むのをやめてしまった。

ある日、リリーはクローゼットの中から古い箱を見つける。

その中入っていたのは『壁の中の淑女』の草稿だった。

その草稿に目を通したリリーは『壁の中の淑女』はフィクションではなく、実際に起った殺人事件を描いたものだと確信する・・・

 

これ、なかなか秀作だと思う。

残酷な描写とか、いきなりデカい音が鳴ってビビらすとか、そういうのが一切なく、心理的に圧迫されるのだ。

どんなに美しいものでもいつかは朽ちる・・・

哲学的な言葉だと思うけどなんだかとても居心地の悪い言葉だ。

 

これきっと観る人を選ぶ映画だ。

キャーキャー言うパーティームービーでもないし、思わず目をそもけるようなシーンもない。

退屈な映画の部類かもしれん。

ただ淡々と詩的に語られるのだからな。

でもおれはこういう硬派な作品があることがうれしい。

話題作でないのを何となく観て、これはなかなかいい、と思えるのに出会ったときはちょっとうれしい。

こういう映画が観れるのは配信ならではだと思う。

 

 

  鑑賞メモ:NETFLIX