いつかこの街を出たい
※画像はお借りしているものです。
これ、大好きな作品だ。
ずっとコレクション用のDVDを持ってたんだけど、先日の断捨離とのときにDVDは全部処分したんだよ。
そしたらまさかのリマスタリングしたBDが発売されるって。
こんなことってある?
手放したのにちゃんと手元に置いときなさいというお告げだぞこれは。
おかげでもう一度買うハメになった。
幼馴染で親友のイーニド(ソーラ・バーチ)とレベッカ(スカーレット・ヨハンソン)は高校を卒業したものの、進学も就職もせずだらだらと過ごしていた。
ある日、二人はいたずらで新聞の出会い欄に載っていた中年男のシーモア(スティーブ・ブシェミ)を呼び出し、待ちぼうけになっているところを近くで笑いものにする。
そして、シーモアを尾行する。
ある日、ガレージセールで出店しているシーモアを発見したイーニドは、客を装いシーモアに近づく。
シーモアはレコード収集を趣味としている冴えない中年、そのシーモアになぜか惹かれたイーニドは彼と親交を深め、カフェで働きだす。
一方、レベッカとイーニドは次第にすれ違うようになっていく・・・
青春映画だけど甘酸っぱさはない、若さ=エネルギッシュでもない、間違ってはいないのだろうけど、おそらくほとんどの人はエネルギッシュの対局にいて、何をしたらいいのかわからない、いわばモラトリアムの中にいるんだと思う。
ほとんどの人は低体温なんだよ。
自分は社会に適合できないまま大人になるんだろうかという不安。そういうつもりじゃないのにひねくれた受け答えしてしまい、あとで死ぬほど後悔する羽目になる。
共感しないポイントなんてない、派手な映画じゃないからスルーがほとんどだと思うけど、ぜひ観ておいてほしい。
高校生のときと大人になったときとずいぶん印象が変わると思うぞ。
イーニド役のソーラ・バーチが素晴らしい。
態度が悪いことで有名だったスカ子ちゃんも初々しい。
なにより中年男のスティーブ・ブシェミが最高だ。
オタクで冴えないから・・・、と自分を卑下しているところがなぜか共感する。
みんな大人になっていくが、自分だけが取り残されていくような
ラストシーンは忘れられない。
来ないはずのバスに乗ったのは、ゴーストワールドに向かったのか?ゴーストワールドから抜け出したのか?どっちなんだろう・・・
鑑賞メモ:劇場