本当の恐怖は現実から抜け出せないことかもしれない

 

 

前評判がやたらと高かった『ジョーカー』を観に行った。

これまでジョーカーはジャック・ニコルソンヒース・レジャージャレット・レト・・・、と名だたるアクターが演じ、どれもこれまでのジョーカーを打ち破る完璧なジョーカーを見せてくれた。

今回のジョーカーはホアキン・フェニックス、これがまた驚愕のジョーカーだった。

よく役柄によって体形を変えたりする演技の鬼の俳優がいるけど、ホアキンには言葉を失った。

アカデミー賞の有力って言われてるけどそれも納得だ。

 

ゴッサムシティの片隅で体の弱い母と二人で暮らしている心優しいアーサー・フレック(ホアキン・フェニックス)は、コメディアンとしての成功を夢見てピエロに扮し、大道芸で日銭を稼ぐ毎日だった。

行政の支援を打ち切られ、患っているメンタルの病気が原因で度々トラブルを招き、どん底の生活から抜け出せずにいた。

笑いのある人生は素晴らしいと信じ、もがき続けるアーサーは狂気溢れる悪のカリスマ・ジョーカーへと変貌していく・・・

 

これは悪なのか?正義ではないだろうけど善良な市民のひとりではないだろうか?

これまでのジョーカーで最も共感できるキャラクターだったかもしれない。

イカれた奴とは関わりたくない。

だけど悪いやつに惹かれるところもどこかにある。

人間の深層心理にはそういうところがあるんだと思う・・・、たいがいの場合は良心が歯止めをかけるわけだから常道を逸することはないんだが。

しかしジョーカーの誕生には心が痛かったな。

ゴッサムの市民がジョーカーを祭り上げた様子も何となく理解できる。

これまでみてきたジョーカーはイカれまくったキャラばかりだったが、もっとも人間味あふれるジョーカーで、おれもジョーカーを崇拝するかもしれないと思った。

『バットマン』のスピンオフ的な作品で、映画のために書かれたオリジナルストーリーとのことだが完璧な話だと思う。

ブルース・ウェインとの関係も理解できて、そうだったのか!と唸った。

 

ところでこの映画のレイティングは+15、エロシーンなんて全くないのに・・・

しかし正直なところ、+15で大丈夫なのか?という印象だ。

ちょっと緩すぎるんじゃないか?

+30ぐらいでもいいんじゃないか?という衝撃。

これ、テレビでは絶対放送できないぞ。

 

 

 

  鑑賞メモ:劇場

 

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