劇場の座席で飛び上がった血液検査のシーンは今でもトラウマです

 

この映画を初めて観たのは学生のとき、大毎地下劇場で。

大毎地下劇場は西梅田・堂地下にあった名画座で2本立て700円ぐらいだった気がする。

もうロードショー上映終わったちょい古映画を2、3本立てで数百円でみれた。

座席指定も入れ替えもなかったから、朝から入り浸って何回も同じ映画を観た。

貧乏学生の俺にはパラダイスだった。

 

そんな大毎地下劇場で観た『遊星からの物体X』、俺的にはトラウマ級に記憶に残っている超コワイSF映画です。

巨匠ジョン・カーペンターのベストと言える作品。

縦横無尽に姿を変えるエイリアンの造形は、『エイリアン』より100倍怖かった。

 

地球外生命体と人類の接触は宇宙ではなくて南極基地。

地球外生命体の宇宙船は10万年前に地球に墜落し、南極の氷に埋もれていた。

アメリカの観測隊には目もくれず、一匹の犬を殺そうとするノルウェーの観測隊員。

この異常な行動から謎に物語りにぐいぐい引き込まれる。

誰に寄生しているかわからない状態で、隊員たちは疑心暗鬼になり、魔女狩り状態になっていくようすがたまらなくスリリング。

CGのない時代、クリーチャーの造形がすばらしすぎる。

特殊効果の範疇を飛び越えてる。

いや、CGじゃないからこそおどろおどろしさが漂ってるんだろうか。

 

地球上でもっとも閉鎖空間と言える南極が舞台。

『エイリアン』の二番煎じとも言われたこの作品、結末は『エイリアン』より末期的かも。

『エイリアン』はほっと一息、希望で終わるけど、これは絶望(観る人によっては希望かもしれん)。

 

何回も観ているけど、今回初めて気がついた。

そういえば女性が一人も出ていないな。

今だったら、主演のマクレディ(カート・ラッセル)はきっと女性になってるだろうな。

 

  鑑賞メモ:BD