もの凄く映画らしい映画を観た感じがする。
チェン・カイコー作品久しぶりだな。
予告を見る限りは大河ドラマのような壮大な歴史ドラマと思ったんだけど、実際はトリッキーな歴史ミステリー。
そうだよな、夢枕獏作品なんだから。
客層は超年配の人たちで埋め尽くされていた。
そりゃそうだ、史実に基づいた歴史ドラマを期待したんだろうからな。
ところが時を超えて隠された楊貴妃の死真相や奇術といった内容で、えっ?そんな映画?と面喰っただろうな
遣唐使として海を渡った修行僧・空海(染谷将太)は繁栄を極める唐・長安で後の大詩人・白楽天(ホアン・シュアン)と出会い友情を深める。
そんな中、王朝では怪事件が続発し、空海は白楽天とともにその解明に乗り出す。
事件の現場にはいつも黒猫の姿が・・・
調べを進めるうち、かつて皇帝の寵愛を一身にうけた絶世の美女・楊貴妃(チャン・ロンロン)の死の謎に遭遇する。
そこには、数十年前に遣唐使として海を渡たり、楊貴妃の美しさに魅了された阿倍仲麻呂(阿部寛)の存在が明らかに。
歴史にはいつも男と女の愛憎劇がある。
それをこういう形で物語りを作り上げた夢枕獏ってすげぇ。
それを見事に映像に仕上げたチェン・カイコーは天才だ。
長安の町は6年かけて作り上げたオープンセットなんだって。
東京ドーム8個分だって。
これセットなのか?町そのものなんだけど・・・
どんだけこだわりすごいんだ!
実際、祝宴のシーンなんてその煌びやかさにマジ圧倒されたわ。
すべての男を狂わす絶世の美女・楊貴妃。
彼女は皇帝の寵愛を受けているわけだから、決して近寄ることができない。
手の届かない女性を想って苦悩する、苦悩どころか生涯をかける男たちの行動が胸を打った。
男を突き動かすのは女性。
これはいつの時代も同じだろう。
映画自体は素晴らしかったけど、残念だったのは日本語吹き替えしか上映してなかったこと。
なんか吹き替えがへっぽこで世界観を壊してしまっているんだよな。
どこかで吹き替えじゃないやつやってないかな。
そしたらもう一回観てもいいな。
鑑賞メモ:劇場