映る度にTVを消したりチャンネルを変えたりせずにはいられない人物がいる。
首相といわれる、たるんだ顔をした或る中年の男だ。
今までにも、「残念だな」とか「バカだなー」と思った首相は、政党を問わず沢山いた。
しかし、声を聞き顔を見るに堪えない程の激しい嫌悪を抱いた首相は、かつて一人もいなかった。
この男、花見の会を開いたらしい。
新宿御苑は通常一般に公開されているが、この会の日、一般人は締め出され花を鑑賞することは出来ない。
アイドルを従え相好を崩す男のだらしない顔の写った写真を見て、
豊臣秀吉が妾らを率いて催した「醍醐の花見」を思い出した。
男は、豊臣秀吉と較ぶるべくもない矮小な人間だが、狡猾なところ、大陸侵略など無謀な野望を抱く愚かさなどは実によく似ている。
「露と落ち 露と消えにし わが身かな 難波のことは 夢のまた夢」
秀吉の辞世の句だ。
似ているところがあるとは言え、
あの男がその人生を終えるとき、このような正直で哀感に満ちた言葉を紡げるとは、到底思えない。
まあ今のうちに、虚しき「栄華」に酔いしれるがよい。
人生の鉄槌によって全てが幻だったと思い知らされる前に。
