木のおもちゃVSプラスチックのおもちゃ そしてキャラクターもの | 現役男性保育士の保育園では言えないこと

現役男性保育士の保育園では言えないこと

都内で保育士をしています。
普段感じていることを書いていきたいと思ってます。

私が働いている区では、「木のおもちゃがいい」という不文律がある。

前の前の園には、木のおもちゃしかなかった。

木のおもちゃ屋さんが来て、ホールにいっぱい広げて遊ぶという日が、今の園と前の園である。

木のおもちゃは他のおもちゃより勝るというのは、絶対的な暗黙の了解となっている。

 

私は、すごく木のおもちゃを研究しているわけではないが、それでも、研修くらいは受けたことがある。

研修は、だいたい受けてもすぐに忘れてしまうのだが、その研修では、「木のおもちゃはごはん(=主食)、電池で動く変身グッズのようなおもちゃはおやつ」と、講師が言っていたのは、心に残っている。

それは確かにそうだと思う。

実際に、変身グッズみたいなのを、うちの子どもにも買ったことがあるが、すぐに飽きてしまった。

遊びのパターンが、あまり広がらないおもちゃだからだと思う。

 

なので、私も木のおもちゃがいいというのを、否定する気は全くない。

ただ、木のおもちゃがいい=プラスチックのおもちゃがいけないということではないと思う。

問題なのは、そういう考えに囚われて、プラスチックのおもちゃを排除しようとする保育士がいることである。

 

私は、子どもはいろんな経験をした方がいいと思っている。

そういう意味で、木のおもちゃだけでなく、プラスチックのおもちゃで遊ぶ機会も必要だと考えている。

これは別の研修の講師が言っていたのだが、レゴは、脳の発達にいいそうである。

LaQでものすごい作品を作った子もいる。

そういう可能性を奪う権利は、我々にはないと思う。

 

「子どもに本物を」というのは、重々承知しているが、実は、自分自身が俗物的なものが好きなので、そういうのを知っている方が、生きていくうえで楽しいし、そのためにも、子どものうちから、本物じゃないものに触れておくのも必要なんじゃないかなと思っている。

 

話が少しそれるけれど、木のおもちゃは高い。

予算が潤沢にあれば、十分な数を買えるのだが、そうでない現在、中途半端な数を買うと、けんかのもとをわざわざ作っているようなものである。

 

 

今の園長が異動してきた時に、キャラクターの遊具は使うのをやめて欲しいと言ってきた。

その会議の時に、私は午睡当番をしていたので、思っていることを言えなかったのだが、キャラクターものは、基本的にしまわれた。

 

キャラクターものも、うちの区では、目の敵にされている。

ついでに、戦いごっこも。

キャラクターものは、おうちにいっぱいあるのだから、保育園には必要ないのだそうである。

保育園は、もっと保育園でしかできないような遊具を提供すべきなのだそうである。

そして、それこそが、この時代に公立保育園が存在する理由になりうるとまで言われると、ちょっと大げさな感じがする。

 

とはいえ、確かに、保育園に、キャラクターものばっかりというのはどうかなという思いは、実は自分の中にもある。

たぶん、そういう環境の中で仕事をしてきたから、その考えに染まってきているのかもしれない。

うちの子どもの幼稚園に、事前説明会で初めて行った時に、ウルトラの父ともう一体、ソフビがあって、ちょっとびっくりしたのを覚えている。

うちの区では、とても考えられないことだったからである。

ところが、今の園に異動してきた時に、ウルトラマンや仮面ライダーの指人形が使われていた。

なので、びっくりしたし、なんて自由な園なんだろうと思った。

今の園長になって、押し入れの奥にしまわれた。

 

私は、特撮ものとかが好きなので、キャラクターものへの愛情が強い。

擁護したいという気持ちを持っているから、若干、客観的な判断をしていないのは、自分なりにわかっている。

それを踏まえていうが、もしキャラクターものが好きな子がいた場合、そしてその子がまだ保育園になじめていない場合、好きなキャラクターは、その子の支えになると思う。

また、そのおもちゃで遊びたいと思うことが、=保育園は楽しい、保育園に行きたいという気持ちにつながるのであれば、大きな意味を持っているのではないか。

 

前にも書いたけれど、どんなことでも、子どもにとって害にならないのならいいんじゃないと思っている。

そんなに目くじら立てずに、いろんなおもちゃで自由に遊べれる、それが一番楽しいんじゃないかと思う。