会って、さよなら | 銀河荘

銀河荘

  ここにいる。



  みつけてほしい。

秋祭りに会っていた。



小学生は、氏子になっている神社のお祭りには学校を早退していた。

今日はどこそこのお祭り、

○○ちゃん早退。

今日はあっちのお祭り、

○○くん早退。

千、もちろん、聖神社のお祭りの日は早退!!!

・・・・・・・・じつは、中学生になっても、千は早退・・・・ズル・・・・・。

・・・・・・・・じつは、高校生になっても、千はホームルームそっちのけで、フルスピードで神社に直行。



お祭りは昼から。

それぞれの地区から、欅館に向かって、太鼓や鐘を叩きながら、人々が集まってくる。

ドンドンカッカ、ドンカッカ・・・・・・・・。

「来たぁ~」

千は門の前をうろうろ。ドキドキ。

長屋門の前には、幟が立ててある。

とうさま、おじいさま、ひいじいさまの、村のそして神社の幟・・・・パタパタパタ。

それをくぐって、人々が、太鼓が、鐘が門の中へと入ってくる。

欅館で、ジンギを踊る。ここで一通り踊ってから、一休みして、それから神社にむかう。



子供のころ、太鼓を叩けなくて悔しい思いをした。

女の子だからね、千は。

女の子は、太鼓は叩けなかった。今は女の子も叩ける・・・・・・・・フン。


千の年下の幼馴染は、太鼓を叩いていた。


男の子は、小学生の間は太鼓を叩き、

中学・高校生になると鐘や幟担ぎのお手伝いをし、

大人になると、鐘を叩き、そして、天狗になったり、獅子舞を踊ったりする。




「千ちゃん、今年も帰ってこんかったんじゃな。お祭り好きなんじゃけん、帰ってくりゃあええのに!」

千の年下の幼馴染が、かあさまに言っていたそうな。


千が彼に会うのは、秋祭りのときだけ。

かぞえるほどしか会ってないけど、

「よう帰ってきたな。」って・・・・・・・・。


千が帰ってくると、彼はちゃんと、獅子舞を踊ってくれた。

息子の頭をカプリッと噛んでくれた。


欅館にある中組の鐘が、音頭取りの鐘。

鐘も叩いてくれた。ア~ラヤァレ!


・・・・・・・・・・。アハ・・・・・・・・。!!!!!!。


千の年下の幼馴染は、

あいかわらず、やっぱり、男前!!!!



数年前

千が秋祭りに帰ったとき、彼はお祭りに来なかった。


「ええぇ~、どうしたん?来てないが!!千が帰ってきてるのに、来んなんて、ふざけとる!!!!」

って、

千はおかんむりだったよ。


・・・・・・・・おばあさまが亡くなられて、祭りごとはでられなかったらしい。

だけど、神社にいくわけじゃなし、欅館だけでも、来ればよかったのに!!!


会いたかったよ。




先週土曜、花火を見に欅館に帰った。

雨がパラパラ。

それでも、21時から、

ドオォ~~~~ン。


キャァ~花火!


「たまぁ~~~~やぁ~~~」







翌朝、日曜。


朝ごはんを食べていると、近所のおじさんがやって来て。





千の年下の幼馴染が亡くなったって。


急いで、彼の家に行ってみた。



名前を呼んでみた、

なにも言わん。


いけんやっちゃ!!!!


千に、断りもなく・・・・・・。ズルイぞ!!!!!!!!!!!!


なにも言わん・・・・・そんな顔見に帰ってきたわけじゃない!!!!



なんていうか、

そんなに具合が悪いなんて、知らなかった。

破滅的なところはあったけど、でも。

もう、体がぼろぼろだったなんて。

まだ、五十にもなってないのに。


なんていうか、

なんていうか、



なんていえばいいのか、



納得できん。


久しぶりに会って、さよなら・・・・・なんて・・・・・・。


すごくすごく、千は・・・・・なんていうか・・・・・・・。