地球讃歌
なれし故郷を放たれて…幾千の旅をくり返し、今ここにいる不思議。帰りたいと、天を見上げた日もあった。それでも地球は面白く、私の心をつかんで離さなかった。いつしかこの星に親愛の情がわいてきて、いつか還る日まで共にあろうと心に誓った。銀河から見て、この蒼い星は宝物。美しい自然と動植物の宝庫。こんなに素敵な星はない。人々を包み込み、時に優しく温かく、時に厳しく哀しみを教えた。その心を知ろうとして、深く沈んだ日もあった。私は望んで地球へ来た。あの美しい星に降り立ちたいと。空と海と大地の声に、はげまされて今がある。銀河を旅する流浪の民のように、流れ流れてここへ来た。長い旅はまだ終わらない。いつか星へ還る時、たくさんの思い出を胸に蝶のように軽やかに、銀河の果てへと旅立ちたい。心からの地球讃歌。母のように温かいこの蒼き星に幸あれと、私はいつも祈っている…