世界に伍して戦う日本人選手の姿には、見ていて本当に勇気をもらいます。
20年前ならイチロー選手、10年前なら錦織圭選手、そして今なら大谷翔平選手や松山英樹選手。。。
しかし今、世間が思っている以上に、日本人が世界を席巻しているスポーツがあります。
それが、女子ゴルフです。
2026年シーズンの米国女子ツアー(LPGA)にフル参戦している日本人選手は、なんと15名にものぼります。
(畑岡奈紗、古江彩佳、笹生優花、渋野日向子、勝みなみ、西村優菜、西郷真央、吉田優利、山下美有夢、竹田麗央、岩井明愛、岩井千怜、馬場咲希、原英莉花、櫻井心那)
古くは、米国の賞金女王になり通算17勝を挙げた岡本綾子さんや、米ツアー通算9勝で世界ランキング1位にも登りつめた宮里藍さんがいましたが、当時はまだ「孤軍奮闘」という色彩が強いものでした。
それが今や、これだけの大人数が集団で世界最高峰の舞台に殴り込みをかけているのです。
このような時代を迎えた理由は様々あると思いますが、私は小柄で飛距離が出ない古江彩佳選手の成功が大きなターニングポイントだったと感じています。
大柄で飛距離が出る笹生選手や原選手、竹田選手だけでなく、「150cmそこそこの小柄な選手でも、技と精度で世界と勝負できる」という流れが完全に確立されました。
もちろん日本ツアー自体のレベルも劇的に上がっていますが、世界最高峰の米ツアーとは賞金額のスケールが違います。
先週末の試合を例にとっても、米国が約6,600万円、日本が1,440万円と、優勝賞金だけで約4.5倍もの開きがあります(※1ドル=160円換算)。
実力があるならどんどん渡米して勝負する、という大きな潮流ができるのも当然と言えます。
そんな百花繚乱の日本勢の中にあって、満を持して2025年からフル参戦を果たしたのが、
日本女子ツアーの絶対女王・山下美有夢選手でした。
「150cmの彼女が、果たしてどこまで世界で通用するのか……?」
そんな心配は完全に杞憂に終わりました。
初年度から海外メジャー大会を含む2勝を挙げると、2年目となった今年(2026年)も出場試合の半分でベスト10に入るという異次元の安定感を誇っています。
そして昨日行われた「CPKC女子オープン」。
山下選手は米ツアーの最小ストローク記録で2位吉田優利選手に9打差をつける衝撃的な圧勝劇を演じました。
毎ホールのようにティーショットを完璧にフェアウェイど真ん中に運び、ショートアイアンでピンそばのバーディチャンスにピタッと付ける。
その淡々とした正確無比なプレーぶりに、現地のTV実況アナウンサーも、
「まるでテレビゲームを見ているようだ」
と、最大級の称賛を贈っていました。
4日間の激闘をじっくり堪能しながら、私は胸の中で確信していました。
「彼女こそ、歴代日本人女子で最強なのではないか」と。
これまで「歴代日本人女子で誰が最強か」という議論になれば、
米ツアー17勝&賞金女王の岡本綾子さん、
日本人初の世界ランク1位に輝いた宮里藍さん、
そして国内ツアー6年連続賞金女王で通算50勝を誇る不動裕理さんの3人の名前が必ず挙がっていました。
しかし、今の山下選手は、完全にこの「3強」の領域に足を踏み入れたと言って間違いないはずです。
まだ米ツアー参戦2年目でありながら、すでに米ツアー通算4勝。
42試合目で4勝は、岡本綾子さんの61試合目を大幅に更新する最速記録です。
そして、上記のレジェンド3人ですら成し得なかった「海外メジャーチャンピオン」の称号を手にしています。
今月25歳になったばかりで全盛期はこれからです。
現在の世界ランキングは5位(キャリア最高は4位)ですが、この圧倒的な安定感をもってすれば、あと2〜3年以内に日本人として2人目となる世界ランキング1位へ上り詰めるのではないかと本気で予想しています。
彼女のゴルフを一言で表すなら、「小気味よい」という言葉がぴったりハマります。
ブレないルーティン、ブレないリズムで、迷いなくスパッと振る。
一昨年、日本ツアーで1日じっくり彼女について生観戦したことがありますが、世界最高峰の舞台に立った今も、あの時と全く変わらないテンポと精度のゴルフを貫いています。
山下選手をはじめとする日本人女子ゴルファーたちの世界での躍進。
早起きして画面に釘付けになる日々が続くおかげで、当分U-NEXTを解約できそうにありません……(笑)。



