今から2年前、藤井一強時代(8冠コンプリート時期)に下記の記事を書きました。
2位以下とのレート差が大きく、タイトル戦で誰が挑戦者になっても9割がた防衛できるような状況でした。
あれから、2年。
藤井一強と言えるか、微妙な状況になりつつあります。
現在のタイトル保持者は
藤井6冠(名人、竜王、王位、棋王、王将、棋聖)
伊藤2冠(叡王、王座)
なのですが、現在実施されているタイトル戦が
王将戦(VS永瀬) 2勝3敗
棋王戦(VS増田) 1勝2敗
とダブルでカド番に追い込まれ、陥落危機となっているのです。
実際、レーティング差も縮まっていて、2位の永瀬九段に対する期待勝率は63%、7番勝負での期待防衛率は73%となっていますので、陥落して6冠が4冠になっても不思議ではない状況なのです。
将棋棋士のピークは、20代後半~30代半ばまでと言われていました。
純粋な記憶力や体力だけであれば20代前半がピークですが、経験による勝負術などから30代のほうが強くなる棋士もたくさんいました。
しかし、最近はAIの発展により、人と対局しなくとも質の高い研究が可能となり、記憶力や体力(研究する時間など含む)がより重要となり、ピークが低年齢化してきているのです。
実際、現在のプロ棋士のレーティング上位7名は20歳~33歳、平均年齢26歳となっています。
ちなみにプロ棋士の平均的なレートは1500で、平均的なプロ棋士がレート2000の棋士に勝つ確率は5%以下になります。
(現在のプロ棋士レーティングベスト7:3月9日現在)
1 藤井聡太六冠 2062 23歳
2 永瀬拓矢九段 1975 33歳
3 伊藤匠二冠 1962 23歳
4 藤本渚七段 1862 20歳
5 服部慎一郎七段 1859 26歳
6 斎藤慎太郎八段 1857 32歳
7 増田康宏八段 1851 28歳
また、このランキングだけをみれば、今でも藤井聡太六冠がブッチギリの1位で、絶頂時にあるようにみえます。
しかし、振り返ってみると藤井聡太が自身の最高レーティングをマークしたのは今から2年以上前の2024年1月2127です。
しかも、当時の2番手伊藤匠(1897)とのレーティング差は230でした。
当時から比べると藤井聡太が2127→2062と65レーティングを落とし、
永瀬拓矢が1896→1975と79レーティングを上げているため、
レーティング差は100を切るほど接近してきています。
レーティング差200の場合の期待勝率は76%ですが、100だと64%となり、勝負論が出てくるわけです。
圧倒的一強から、かなり追い上げを許している印象もありましたので、
2020年からの月次レーティング推移をグラフ化してみました。
如何でしょうか。
将棋を良く分からない人は、客観的にグラフをみることが出来るような気もしますが、
一番上の濃いブルーのラインが藤井聡太。ピークアウトしているように見えますか?
私は、2021年くらいから絶頂期になり、調子によって波はあるものの今でも絶頂期の期間の真っ只中にいるようにみえます。
今年に入ってからの2-3ヵ月、確かに調子を落としてるのは間違いないですが、その中でもNHK杯をキッチリと優勝しきりましたし、デビュー以来一度も3連敗をしていないという記録も死守し続けています。
不調の中、カド番に追い込まれたタイトル戦が続きますが、何とか踏ん張ってもらいたいと思います。

