亡き友と高校時代の大事件の思い出【前編】 | 理系女子の難関大受験記&親父のつぶやき

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子ども2人の受験監督を務めた50代親父が綴る受験日記です。
これから受験する方の参考になればとリアルな体験を余すところなく語ります。
今は、趣味の話や日常のつぶやきのほうが多いかも。
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先日、高校時代のクラスメイト数人と共に、25年ほど前に亡くなった級友T君のお墓参りに行ってきました。

毎年、彼と仲の良かった有志数名で命日に集まっていたそうですが、私とT君は高校時代に特別親しかったわけではなく、卒業後の交流もありませんでした。そのため、これまで声が掛かることはなかったのですが、今回はじめて参加させてもらうことになったのです。

というのも、私が会社を早期退職する際、かつてのクラスメイト数人に「時間はたっぷりあるから、何でも誘ってくれ」とメールを送っていたので、気を遣ったY君が声を掛けてくれたのでした。

墓前で手を合わせ、静かに亡き友を偲んでいると、ふと脳裏に高校時代のある光景が鮮明に蘇ってきました。
それは、クラスメートの人生を大きく変えてしまったかもしれない、あの大事件——。

時は、高校2年生の2学期に遡ります。

数学の中間テストの日に、

事件は起こりました。

当時、成績が芳しくなく留年の危機に瀕していた数名のメンバーは、担任の先生の「温かい配慮(?)」によって、教壇のすぐ目の前、最前列周辺に席を固められていました。

私の母校はテストの結果のみで進級が決まる厳しいルール。年間平均で赤点を複数取れば即アウト、追試もありません。

2年生になり、遊び癖がついて緊張感を失っていた「最前列メンバー」たちは、この2学期で挽回しなければ後がないという土俵際に追い込まれていました。

数学の中間テスト当日。

 

準備不足で絶望的な状況だった彼らは、試験問題を持って現れた数学のK先生に対し、思いもよらない行動に出ました。

「先生!」

最前列のE君が勢いよく手を挙げたのです。
「必死に勉強していますが、まだ理解が追いついていません。このままテストを受ければ、悲惨な結果になるのは目に見えています。どうか今日のテストを自習時間に変えて、先生に質問できる時間にしてもらえませんか。試験は来週に延ばしてください!」

あまりに身勝手な言い分でしたが、K先生は生徒思いの優しい先生でした。
 

「ほかのみんなも、それでいいのか?」

私を含め、試験が延びて困る生徒はいません。

教室が沈黙で同意を示すと、最前列メンバーが畳みかけます。「先生、お願いします!」。
 

先生はしばらく考え込んだ末、

「……分かった。今日は自習にしよう。その代わり、しっかり勉強して理解を深め、良い点を取るように。」と、仏のような決断を下してくれたのです。

数学のK先生の善意によって、中間テストが自習時間に変わりました。

 

しかし。


安堵の空気が流れる教室で、彼らは、さらにとんでもない計画を企てていました。

 

 

自習が始まるとすぐに、3列目のO君が「先生、質問です」と先生を自分の席まで呼び寄せました。

先生が解説に集中し、背中を向けたその瞬間です。
最前列のE君が、教壇に置いてあった試験問題の束から、1枚の問題用紙をそーっと抜き取りました。

目撃した私は、あまりの衝撃に心臓の鼓動が激しくなり、身動きが取れませんでした。
そのまま自習時間は終了。

何も気づかないK先生は、1枚足りない問題用紙の束を抱え、穏やかな顔で職員室へと戻っていきました。

先生が去るやいなや、最前列グループはガッツポーズ。

「コピー欲しいやついる?」などと嘯いています。
 

クラスの反応は三者三様でした。
喜んで便乗する者、関わらないようにする者、そして「こんなことが許されるのか」とモヤモヤする者。

私は先生の好意を裏切る卑劣な行為だと憤りを感じましたが、一方で「ここで告発すれば、E君たちは確実に退学になる」という恐怖があり、何も言えないまま帰宅しました。

しかし翌朝、沈黙を破った男がいました。

 

それが先日お墓参りしたあのT君でした。

衝撃の結末は次回に!