子どもへの能力の遺伝は、父、母、どちらの影響が強いのでしょうか?
人間の場合、基本的に同じ父母から生まれたきょうだいが圧倒的に多いので検証は難しいです。
ところが、競馬の世界は一夫多妻。
年間百頭単位で子どもを作る牡馬と、年1頭しか子ども産めない牝馬では、父馬の価値が圧倒的に高いです。
今日は、日本競馬界で大きな注目を浴びている凄い母親の話をします。
競馬ネタで申し訳ないですが、ブログは自分が書いていて楽しいネタを書くことにしているのでご容赦ください
その母の名は、ウインドインハーヘア。
競馬ファンならピンと来る方もいると思いますが、あのディープインパクトの母になります。
英国の競走馬でしたが、ノーザンファームの吉田氏が一目ぼれして引退後に繁殖牝馬として日本に輸入されましした。
牝馬は1年に1頭しか子どもを産めませんので、生涯の子どもは15頭だけです。
ちなみにディープインパクトの子どもは約1800頭いますので、名馬を出す可能性は牡馬と牝馬では大違いというわけです。
僅か15頭の子どもたちの中で特大ホームランとなった孝行息子がディープインパクト。
三冠を獲った競走成績もさることながら、種牡馬として大成功し、日本ダービー馬を7頭など、13世代全てで日英独クラシックホースを出しました。
それでも、自身を超える馬は輩出できず、父系として血を繋げるか、微妙な状況になっています。
血を繋ぐには首位打者を量産するのではなく、1頭だけで良いので圧倒的なホームランバッターを輩出できるか、ということなのです。
ウインドインハーヘアが注目されているのは、ディープインパクトだけではなく、そのきょうだいたち子孫の活躍です。
まずは、ブラックタイド。
ディープインパクトの1つ上の兄で、父サンデーサイレンスの全兄弟です。
競走成績は大したことはなく、本来であれば種牡馬になれませんが、賢弟ディープと同じ血を期待され安い種付け料で種牡馬となりました。
それがまさかの特大ホームランを打ちました。
キタサンブラックです。
とはいえ、キタサンブラックは近代競馬ではあまり重要視されていない長距離を得意とするタイプで種牡馬として活躍できるかは疑問視されていました。
ところが、初年度にいきなりイクイノックス
という怪物を輩出しました。
今年もダービー最有力候補、いや、三冠馬&史上最強馬候補のクロワデュノール
を出すなど、今一番勢いがある血統となっています。
次に、ブラックタイドの3つ上の姉、レディブロンド(父シーキングザゴールド)。
繁殖牝馬になり、日本ダービー馬レイデオロを出しました。
トドメは、ディープインパクトの4つ下の妹ランズエッジ(父ダンスインザダーク)
ランズエッジは2012-2014年に3年連続で牝馬を生みましたが、それぞれの牝馬からレガレイラ(2024有馬記念)、アーバンシック(2024菊花賞)、ステレンボッシュ(2024桜花賞)を輩出しました。
繰り返しになりますが、毎年100頭単位で産まれる父系ではなく、1頭ずつしか産まれない母系でのこの爆発力、鳥肌立ちますね。
こうなると誰もが考える夢の配合。
この偉大なる母の血を持つ同士を掛け合わせたら、怪物が生まれるのではないか。
そんな夢の配合を求めて、レイデオロにディープインパクトを父に持つ牝馬が種付けられまくりました。
そして、その結果は。。。
今のところ、空振り三振。全く走らず、諦めてみな配合を変えてしまいました。
本当に血統は不思議です。
ただ、これからデビューする馬もいるので、奇跡を待ちたいと思います。