昨日、王座戦挑戦者決定トーナメント準々決勝藤井聡太7冠VS村田顕弘6段が行われました。
村田顕弘6段はレーティングはそれほど高くなく、藤井聡太への期待勝率は僅か5%ですが、関西若手4天王と言われる期待の若手です。
そんな村田顕弘6段はこの1戦に「棋士人生を賭ける」というほど、気合を入れていました。
彼は、秘策を用意していたのです。
村田6段は必殺の「村田システム」という作戦を編み出し、それを改良した「新村田システム」をこの1戦のために温存し、ジャイアントキリングを狙っていたのです。
この作戦が功を奏し、昼休みころから村田ペースとなりました。
私は昨晩20時過ぎに帰宅し、ネット中継をみたのですが、そのときには既に村田勝勢になっていました。
しかも、持ち時間も圧倒的に村田有利。
AIの評価値が有利だとしても、正解手が1手しかない場合は逆転は起きますが、有力手どれを指しても有利は変わらないような局面だと逆転は起きません。
今回のケースは後者で、紛れも少なく、さすがの藤井7冠でもあと数手で投了と思われました。
そんな中、藤井聡太はAIの候補手にない6四銀という手を指します。
解説陣も予想していなかった手で、正確に指されると一気に負けてしますためAI的には悪手になりますが、正解手以外を指すと差が縮まる勝負手です。
予想外の手に村田6段は正解手を選べず、差が縮まったのですがまだまだ有利です。
ところが、藤井7冠の真の狙いはこれからです。6四銀を起点にした罠を次々に繰り出し、村田6段は毒饅頭を食べてしまい、逆転。
そして、ついに、村田玉に詰が生じてしまいました。
しかし、その詰みは藤井7冠が盤上最強の2枚の飛車を2枚とも切り、23手という難解な詰みで、詰み損ねると負けてしまいます。
藤井7冠も1分将棋。さすがに安全策で行くと思った瞬間、藤井7冠は飛車を切り、一気に村田玉を討ち取りました。
いやー、凄いものをみました。
村田6段は放心状態、インタビューで搾り出すように「藤井7冠に勝つ大変さ思い知らされました」と答えたシーンが印象的でした。
どんなに不利でも逆転の可能性に賭けて難しい手をひねり出す、どんなに相手が優勢でも一手でも間違えたら逃さない、そんな藤井7冠の迫力、凄いかったですね。
そして、王座戦。
藤井7冠の次戦、準決勝は、この日若手No1とも言われる11連勝中の斎藤5段に逆転勝ちした羽生9段。
羽生9段は一時の不調は嘘のように大復活し、今や渡辺前名人を抜いてレーティング4位です。
個人的には、羽生先生に王座を獲ってタイトル100期を達成してもらい、来年、藤井7冠と夢のタイトル戦というマンガのような展開を期待しています。


