先日、難関国立大学の高校別ランキングを紹介しましたが、本日は、私立最高峰早慶、それも上位学部に絞って高校別ランキングを紹介します。
というのも、早慶上位学部は、東京一工など難関国立の有力な併願校であるという面と私立専願組の最高峰という面を持っていますので、どんな高校が上位を占めているのか、興味深いなと。
また、今日取り上げる学部は文系学部のみです。
というのも「私立専願」とは一般的に「私立文系」を指します。
大学受験で最も時間のかかる科目は英語と数学。それ以外の科目は英数と比べたら大したことがないので、数学を捨てることが出来る私立文系は大きな時間的メリットを得ることができますが、英語も数学も捨てられない私立理系はそのようなメリットは全くないため、私立専願で最高峰の早慶理工学部に合格することはほぼ不可能です。
このあたりの話は下記の記事に書いています。
では、早慶上位学部(文系)とはどの学部を指すのか。
偏差値表だけをみても分かりづらいですが、一番明瞭なのは早慶附属校からの推薦人気学部で考えるのが分かり易いです。
早稲田は、政治経済学部、法学部の順。何十年も前から1度も変わっていないと思います。成績が良くて法学部を選ぶ人は稀だそうです。
慶應は、最近では法学部、経済学部の順。附属から法学部は芦田愛菜さん、経済学部は櫻井翔さんが有名ですね。
ただし、成績上位でも経済学部を選ぶ方も結構いるらしいので人気は早稲田ほど明確ではないかもしれません。
それでは、この4学部の高校別ランキングを紹介します。
【】は東大文系、京大文系、一橋合格者の合計数です。
<早稲田政経>
1.開成54【48】
2.渋幕50【54】
3.聖光42【42】
4.麻布35【55】
5.駒東34【45】
6.桜蔭32【33】
7.豊島岡30【36】
8.日比谷26【42】
9.筑駒24【25】
9.海城24【26】
ベスト10は東大合格者トップ10とほぼ丸かぶりです。
共通テスト利用合格者も一定程度いることもその傾向に拍車をかけているものと思われます。
また、ベスト10以下の顔ぶれをみても、数学必須化により私立文系が受験しにくくなったこともあり、東大ランキングに入ってこないような高校は殆んどなく、難関国立併願組が強い感じです。
<早稲田法>
1.桜蔭31【33】
2.渋幕25【54】
3.聖光22【42】
4.日比谷19【42】
5.女子学院19【26】
6.麻布18【55】
6.開成18【48】
6.豊島岡18【36】
9.海城17【26】
10.本郷15【10】
10.西大和15【56】
政経と比べると全体的に合格者数が少なく、顔ぶれにほんの少しですが、東大ランキングの平均順位が落ちる印象です。
<慶應法>
1.頌栄31【12】
2.学芸附属12【21】
2.本郷12【10】
4.攻玉社11【15】
5.桜蔭10【33】
5.開成10【48】
7.渋幕9【54】
7.日比谷9【42】
7.広尾学園9【9】
10.浅野8【29】
10.洗足8【17】
共通テスト利用がないため、早稲田とはだいぶ違う顔ぶれで東大ランキングベスト10外の高校が過半数を占めます。
慶應法学部トップはほぼ毎年頌栄なのですが、31人合格と2位にほぼトリプルスコアをつけたのは初めてではないでしょうか。東大一橋の合格者数と比べて慶應合格者数がとても多いので、合格者の過半数は私立専願と思われます。
<慶應経済>
1.開成34【48】
2.渋幕28【54】
3.聖光27【42】
4.浅野25【29】
5.駒東24【55】
6.海城22【26】
7.頌栄20【12】
8.豊島岡19【36】
9.市川17【20】
9.麻布17【55】
9.桜蔭17【33】
東大ランキングベスト10校が6校と慶應法学部より多くなっています。
やはり、国立併願組にとっては数学受験のA方式があるのが大きいように思います。国立理系で併願する方も少なくありません。
如何でしょうか。
早慶上位学部でもカラーがそれぞれ違いますね。
また、慶應は小論文がある分、国立と併願しにくい部分もあるかもしれません。
また、首都圏の高校が目立ち、関西勢は東大ランキング上位校(灘や西大和など)でも早慶併願者は多くないようです。