藤井聡太5冠vs羽生善治九段(永世7冠)。
夢のタイトル戦となった王将戦。
先週末その第2局が行われ、羽生永世7冠の快勝。1勝1敗のタイとなりました。
羽生九段を応援しているファンですら1勝も出来ないのではないか、と思っていた方が多いのではないでしょうか。
私もその一人です。
羽生先生、申し訳ありませんでした!!
歴代最高勝率を更新するかとも思われた今をトキめく天才藤井聡太に完勝しました。
そして、誰が考えたか、勝者の記念撮影。
通称、罰ゲーム。
羽生先生、周りに気を遣わせまいと思ったか、ノリノリで応じていました。人格者です。
第2局で一番盛り上がったのは1日目の封じ手直前の8二金でしょう。
AIでは、その手以外は全て羽生九段が不利になるものの、解説しているプロ棋士によれば、人間的には絶対思い付かない手、思いついても指せない筋悪の手だそうで、羽生九段が8二金を指した瞬間、ネットは大盛り上がりでした。
では、羽生九段の勝因はなんだったのでしょうか?
私自身は全盛期でアマ2段。おそらく、数十年ブランクのある今は3級くらいの棋力なので、手の意味は全く分からないのですが、AIの評価値で優劣が明確に判断できます。誰でも分かる評価値があるからこそ、今の観る将ブームになっていると思います。
そんな観る将の私が邪推する羽生九段の勝因。
つまりは何故8二金を指せたのか、ということですが、やはりAI研究だと思っています。
おそらく、羽生九段はあの場面で8二金を思い付いたわけではなく、事前研究で8二金が最有力手であることを知っていたのだと思うのです。
昨年度、棋士人生初めての負け越し、いや負け越しどころか羽生時代の終焉を思わせるほどの負けっぱなしを経験したにもかかわらず、今年度の大復活。これは、羽生九段が本格的にAI研究に着手したとみるのが自然だと思います。
10代、20代の棋士がAIを駆使して、あらゆる戦型を完全記憶。その手を知っているか知らないかで勝敗に直結する現代将棋に、ベテランの技で対抗するには限界と悟って、真剣にAI研究をして若手にガチ勝負を挑んでいるのだと確信しています。
もちろん、終局まで記憶できるわけではなく、優勢になった後、勝ち切るまでは実力勝負になるわけですが、羽生九段は超のつく実力者なので、そこまで持ち込めれば、藤井5冠相手でも十分勝機があるというわけです。
実際、藤井王将の繰り出すさまざまな罠をかいくぐり、完璧に指しこなした終盤力は、全盛期を思わせるものでしたね。
私達50代にも勇気を与える勝利。
本当に感動しました。
今週末の第3局も熱戦を期待しています!!