昨晩、前代未聞の大事件が起き、将棋界がザワついています。
舞台は名人への挑戦をかけて最上位のトップ棋士で争うA級順位戦、元名人の佐藤天彦9段とレーティング2位(1位は藤井5冠)の永瀬王座との一戦。
この日朝10時から対局が始まり、13時間の熱戦が続いた23時頃に事件は起こりました。
各6時間あった持ち時間ですが、残り時間は佐藤天彦9段2分、永瀬王座16分でやや佐藤9段が有利、まさに終盤の大詰めで。
対局室に将棋連盟理事が現れ、対局を中断し、両対局者を別室に来るよう促し、異様な雰囲気に。。。
そして、そのとき突然佐藤天彦9段の反則負けが通告されました。
反則負けを通告される30分以上前からマスクを不着用状態であったことを永瀬王座が指摘し、連盟理事の協議の結果、反則負けの裁定が下されたそうです。
マスク不着用で反則負けをくらったのは佐藤天彦9段
貴族のあだ名で知られ、独特なファッションをしています。奨励会3段時代にプロ入りの権利(プロ補欠合格のようなもの)を得たものの正規昇段でないことを理由に歴代唯一権利行使をしなかったり、初めてAIに負けた名人となってしまったり、エピソードに事欠かないキャラです。
反則負けを指摘して勝ったのが永瀬王座。
才能というよりも圧倒的な努力でトップ棋士になったといわれており、将棋へのストイックな取り組みから軍曹というあだ名がついています。
小さい頃から書道、水泳、公文などをやったがどれも全く合わず、将棋一筋で高校も入学一週間で中退したそうです。
タイトル戦では、慣例にならい和服で登場するものの、写真撮影が終わるとスーツに着替えて対局したり、対局中に大量のバナナを食べるなど、他のことは気にせずとにかく将棋に集中するスタイルで有名です。
今回の反則ですが。。。
コロナ感染症対策として、対局中は一時的な場合を除きマスク着用が義務付けられ、違反すると反則負けとなるルールが明文化されてはいますが、初めての反則事例で、賛否両論、大きな話題になっています。
(主な否定派の意見)
・盤面に没頭し、頭に血を巡らせるために呼吸を楽にしようと無意識に外してしまっている可能性もあり、注意もせず、いきなり反則負けは厳しすぎるのではないか。
・一時的の解釈は人により異なる。(5分以上とか、30分以上とか明確に決まっていない)
(主な賛成派の意見)
・ルールで明文化されいる以上仕方がない。30分は一時的とは言えない。
・永瀬王座も全く同じ状況で、我慢してマスクを着用しているのに相手にマスクを長時間外されたら、気になって集中できず頭にくるし反則を指摘するのは当然。
・マスクのことを注意するのは気まずいし、集中できなくなるので、第三者に状況を指摘し、判断を仰ぐのは当然。
私は、ちょっと厳しすぎるかな、一言注意すれば済んだ話かなって思いますし、何より、最終盤の一番良いところでの打ち切られたことが残念で、最後まで見たかったなって思います。