2022年共通テストの平均点(中間集計)が発表されましたが、注目の数ⅠAの平均点は37.96点と衝撃的なものでした(最新集計が発表され40.25⇒37.96に下方修正となりました)。
2021年共通テストの平均点が57.8点でしたので、20点近い激難化となったわけです。
これほどブレてしまうと振り回された受験生は不運としか言いようがありませんが、2021年と2022年、どちらがあるべき共通テストだったのでしょうか?
そもそも今回の試験制度改革は、従来の知識・技能に加えて思考力、判断力、表現力のほか、「主体性・多様性・協働性」などの新しい時代を生きる力も求められるというコンセプトで実施されたものです。
思考力などは二次試験で問われるので旧センター試験のままで問題ないと考えている方も多かったと思いますが、共通テスト利用入試や推薦入試などで広く活用されることから、知識・技能中心の旧センター試験では不十分という考え方で文科省が押し切ったものと私は理解しています。
知識・技能を測る旧センター試験は、標準問題が中心で勉強量、つまり、努力量に比例して得点できる傾向が強かったと思います。
一方で、共通テストの場合は、知識やテクニックだけでは対応できないようなその場での閃きや判断力、センスを求められることになり、努力が報われない部分が出てきます。
言い換えるなら、旧センター試験は「標準問題」を解ける力を計り、共通テストはそれに加え「その場で考える応用力や発想力」がないと解けない問題も随所に入れるといったイメージになろうかと思います。
翻って今回の共通テストは以下のいずれに近かったのでしょうか?
1.単純に全体的に点数が下がっただけで相対的には努力に比例した得点となった
2.努力量に比例せず、考える力のある者が高得点となるような試験であった
3.努力した者も考える力がある者も、すべからく得点できないような試験であった。
私は1~3すべての要素があるような気がしますが、難易度調整を間違えて単純に平均点が低すぎたことが一番の問題だと思っています。
先日の記事に旧センター試験の直近6年間の平均点を掲載しましたとおり、数ⅠAが58.5点、数ⅡBが48.8点でしたので、ここに「考える力」がないと解けないという部分を加味させると数ⅠAの難易度は平均点50点弱程度、数ⅡBの難易度は平均点40点強程度を目指すべきだったんだろうと思います。
そう考えると数ⅠAは、やはり難易度が厳し過ぎ作問ミスと言われても仕方ないと思います。
ただ、ネット上の今年の共通テストの評価を見る限り、努力してきた人ほど納得感が薄く、共通テストはセンスなどその場の対応力をみるのではなく「努力」を評価すべきだと考えている方が圧倒的多数であり、そもそも共通テスト自体が失敗で旧センター試験のほうがフェアで適切という評価なのではないかな、って感じています。
2021年初年度は難易度を抑えて無難な立ち上がりでしたが、2022年はかなり攻め過ぎた、と言ったところでしょう。
これを受けて来年どうなるか注目ですが、暫く混乱は続くような気がしています。