コロナ禍の中、2021年二次試験を中止した横国の決断は成功だったのか、失敗だったのかについて検証の続きです。
横浜国立大学理工学部を例にとって説明になります。
実際に起きたことは昨日記載した通りですが、横国理工学部長がかなり赤裸々に顛末を語っている記事をみつけましたので、まずはこちらをお読みください。
それでは、昨日記載した事項について具体的に説明します。
1.共通テストだけで判定されるため、高得点を取れた者のみが出願したため、ボーダーが爆上がりした一方で、多くの人が出願を自重したため穴場学科も発生し、共通テスト7割未満で合格する事態になった。
⇒例えば、後期情報工学EPの合格最低点が90.5%と超ハイスコアになるなど、後期の合格最低点はビックリするくらい高いものとなった一方で、例えば前期の化学・化学応用EPの合格最低点は69.4%(後期は72.9%)と信じられないような低スコアで正規合格することが出来ました。傾斜配点での得点率なので素点ベースはもっと低いと思います。
理工学部以外だと教育学部の一部学科で定員割れが発生し、共通テスト得点率47.6%での正規合格が出てしまいました。
しかも、繰上げ合格者及び追加募集合格者の合格最低点は非公開(当然正規合格者より低いはずです)となっています。
2.大量の入学辞退者が発生し、3月下旬になってから大量の繰り上げ合格者を出した。
⇒理工学部で繰上げ合格での入学者が27名もいたそうですが、twitterなどによると繰上げ合格の連絡があったのは3/28頃と思われます。
突然電話がかかってきて、今日明日中に返事くれって感じだったらしいです。この時期に繰上げ合格をもらって入学する人ってどれくらいいるのでしょうか?
2021年入試の横国理工後期の入学辞退率はなんと56.9%です(入学者より辞退者のほうが多い)ので、27人入学させるためには辞退率からの単純計算で63人の繰上げ合格者を出す必要がありますが、時期が時期なので70名以上の繰上げ合格を出したものと推測します。
3.大量の繰り上げ合格でも全く定員を埋めきれず、3月末になってからビックリする人数の前代未聞の追加募集を行った。
⇒3月28日-29日に追加募集の出願を受け付けましたが、その募集人数はなんと80名です。もちろん、全国最多、前代未聞の人数です。
そもそもの原因は、後期試験の辞退者数を完全に読み違え、合格者数が極端に絞り過ぎたことによります。
4.欠員補充の追加募集に1300名以上の大量出願があり、出願会場に長蛇の列が出来、ディズニーアトラクション並みの待ち時間&大混乱となった。
⇒そもそも、二次試験を中止したのはコロナ禍による受験生の健康を考えてのことだったはずですが、こんな有様でした。。。
出願が、まさかのWebや郵送不可の直接持参方式で数百メートルの列が出来ていたそうです。
このように追加募集で大混乱となってしまった原因は、後期試験の辞退者数を完全に読み違え、合格者数が極端に絞り過ぎたことによります。
先に記載したインタビュー記事で横国理工学部長の真田氏は下記のように述べています。
「後期日程の合格者のなかで入学手続きをした人が非常に少なかったということです。ただ、数字としては出ていますが、まだ分析しきれていません。なぜ入学しなかったのかを聞いたわけではないですし、分かりません」
分かりません?
いやー、分かるでしょ。
言いたくないのは分かりますが。
インタビュアーさんも分かっていると思いますが、大人の対応で突っ込みませんでしたね。
明日、誰でも想像がつくこの理由を記載し、最後に2021年横国入試を総括したいと思います。