【国公認のレッテル貼り】指定国立大学とは何か? | 理系女子の難関大受験記&親父のつぶやき

理系女子の難関大受験記&親父のつぶやき

子ども2人の受験監督を務めた50代親父が綴る受験日記です。
これから受験する方の参考になればとリアルな体験を余すところなく語ります。
今は、自分の趣味やつぶやきも書いています。
アメンバーの無言申請は承認しません。

みなさん、文科省による国立大学分類って知っていますか?

 

東京一工、旧帝国大学、金岡千広、5S。。。。?

 

もちろん、違います

 

その分類は私立の「MARCH」や「日東駒専」のように塾などが難易度の近い国立大学を勝手にグループ化してネーミングした大学群です。

 

正解は。。。

 

以下に詳述します。

 

2015年に文科省は国立大学を「世界標準」型、「特定分野」型、「地域貢献」型の3つのグループに分類し、各大学に目指すべきあり方を選択させています。

 

 

 

 

当初は「国が国立大学にレッテル貼りするとはなにごとだー」といった反対の声もありましたが、「分類するのではなく、3つの枠組みを示すだけ」といった柔らかいトーンにして押し切り、各大学は下記の3つの類型のいずれかを選択しました。

 

1.「卓越した海外大学と伍(ご)した教育研究と社会実装(世界)」⇒16大学

2.「特色分野の教育研究(特色)」⇒15大学

3.「地域と特色分野の教育研究(地域)」⇒55大学

 

この分類に沿った形で国から支援をしていこうというわけです。

 

この分類は、基本的には各大学が選択して決めたわけなので、例えば、「1」を選択した大学は自称「世界標準」型大学という感じですね。

 

ちなみに「世界標準」型を選択した16大学は以下のとおりです。

 

旧帝国大学(北海道、東北、東京、名古屋、大阪、京都、九州)、東工、一橋、神戸、筑波、千葉、農工、金沢、岡山、広島

 

どうですか。

 

確かに、自称「世界標準」型が混じっている気がしますね。。。

 

そこで? 

文科省が打った次の一手が「指定国立大学」制度です。

 

これは、国が「世界最高水準の教育研究活動の展開が相当程度見込まれる国立大学法人」を指定するものです。

 

つまりは、国公認「世界標準型」大学というわけです。

 

指定国立大学法人は、国内の競争環境の枠組みから出て、国際的な競 争環境の中で、世界の有力大学と伍していく必要があるため、「研究力」、「社会との連携」、「国際協働」の3つの領域において、既に国 内最高水準に位置していることを申請の要件として設定されています。

 

つまり、かなり厳しい申請要件を課すことにより「自称世界標準」は認められず、国の厳格な審査を通った大学だけを指定する形にしたのです。

 

現在の指定国立大学は下記9大学となっており、先の「世界」型から8大学、「特色」型から1大学が指定されました。

(現時点で、九州大学が申請中⇒承認されました11/23追記

 

【指定国立大学法人】

東北大学(2017年6月30日指定) 
東京大学(2017年6月30日指定)
京都大学(2017年6月30日指定)

東京工業大学(2018年3月20日指定) 
名古屋大学(2018年3月20日指定) 
大阪大学(2018年10月23日指定)
一橋大学(2019年9月5日指定)
東京医科歯科大学(2020年10月15日指定)
筑波大学(2020年10月15日指定)

九州大学(2021年11月22日指定)←New(11/23追記)


指定国立大学は名誉はあってもメリットはないと言われて来ましたが、ベンチャーキャピタルへの出資が解禁されました。

 

 

 

 

海外大学は莫大な基金を高利回りで運用し、教育研究への投資をしています。

たとえばハーバードは基金残高が日本円で4兆円以上あり、10%程度で運用されているそうです。

 

基金残高がとんでもない額になっているのは、ハーバード出身の成功したOBが母校に多額の寄付をしていることも大きな要因と言われています。年間1500-2000億円もの寄付金が集まっているそうです。

 

税制上の優遇措置が全く違うということもありますが、成功者が寄付をする文化は日本には殆どありません。

 

以前記載した滝久雄氏のようなケースが増えることを期待したいですね。

 

 

 

最近、昨年の東芝の株主総会で外資からの要求を東芝と経産省が圧力をかけて不当に潰したのではないか、との疑惑が話題になりました。

 

私は、この事件の当事者、ものを言う株主として煙たがられた外資の一つがハーバード基金であったことを知り世界と日本の差に衝撃を受けました。

 

世界と戦っていくには、しっかりしたガバナンスの下、リスクテイクをしながら成長していく必要があります。

 

今後の指定国立大学に期待していきましょう。