こんばんは!
「ずっしー。」です!

今日も一日お疲れ様でした!

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さてこの前、利根と一緒にこちらの模型も買っていましたがこれはどんな船でしょうか?

大きな飛行甲板を有しているのでパッと見「空母」と思うのでは?甲板上に飛行機も有りますし。

 

実はこれ空母に似ているけれど空母では有りません。

これは日本陸軍が建造した船(艦では無い)で船名は「あきつ丸」。丙型特殊船です。


この船の目的は敵地偵察や上陸部隊に対する支援で今でいう所の「強襲揚陸艦」に当たります。

元々陸軍は同じ目的で通常形態の船を何隻か所有していたのですが搭載機を素早く多数発船させるためには全通の飛行甲板を有していた方が有利と判断しましてこの形になりました。

 

本来ならば海を主戦場にしている海軍がこれらの艦船を建造すべきでしたが、当時海軍の方針は「艦隊決戦」に凝り固まっていて例えば離島防衛や攻略に必要となる艦船の建造は限られた予算枠の中で優先順位がかなり低いものでした。つまり海軍を頼ってもいつ作ってくれるのか分からない。それを不満に感じた陸軍は独自に建造したのです。(陸軍が持っていたのは空母似の船だけでは有りません。「ゆ艇」と呼ばれた輸送用の潜水艦も建造していました。)

背景は違うけれどドイツ海軍が初の空母であるグラーフツェッペリンを建造しようとした時にもひと悶着有りました。それは空母に搭載すべき航空機の事で。空を飛ぶものは全て空軍の管轄といって憚らないゲーリングの横やりで空母用の航空機が作れなかったのです。(日本もアメリカも空母の艦載機は海軍所属です。)

最終的に飛行隊は空軍から派遣する事で妥協し空軍機の一部を空母へ搭載すべく改修が始まりましたが結局グラーフツェッペリン自身が戦局の影響も有り完成しませんでした。もし完成し運用を始めていたとしても指揮系統で様々な問題が生じていたのは想像に難くないですね。軍同士の対立はどこの国でも大なり小なり有る様でして。
 

話は「あきつ丸」に戻しまして、当然空母の構造や運用知識の無かった陸軍でしたので建造に当たっては多大な困難が伴いました。海軍も一部協力し完成に漕ぎつけあきつ丸は運用を始めました。ただし飛行甲板を備えたとはいっても長さと構造的問題から陸軍の主力戦闘機や爆撃機などの運用は無理で搭載していたのは観測機とカ号と呼ばれたヘリコプター型の航空機でした。(ちなみに観測機の着艦が出来なかったので任務を終えたら基地へ帰投。)

日本が劣勢に回った大戦後半では輸送船団護衛に従事する事が多くなり最後は米軍からも空母と思われたのかどうか定かで有りませんが潜水艦からの魚雷攻撃を受けて沈没しました。(海軍の持っていたある程度防御力を備えた空母で有っても潜水艦からの攻撃を受けその多くが撃沈されていたので艦では無い船ならばひとたまりも無かったと思います。)

こんな感じで「あきつ丸」は特殊な船でした。そんな船のモデルが発売されたのは驚きでしたね。

現在昔作った艦船のリニューアル中なのであきつ丸の組み立ては暫く先になりそうですが空母との違いを確認しながら作業を進めたいと思っています!!!

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それでは、、、
明日も一日頑張りましょう!!!

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「ずっしー。」・・・(5030)