4,レース条件別予想(続き)
3)下級条件戦(1勝級~)
条件戦とは、賞金別に「1勝級」「2勝級」「3勝級(旧準OP)」のクラス分けして行われるレースで、平場と特別の2種類があります。もともとJRAはクラス分けの際に「1年1勝」が基準とされていて、狐が競馬を始めた頃の夏以降の混合戦は…(現馬齢に併せて表記)
①新馬戦(デビュー戦、当時は最大3回まで出走可)
②未勝利戦
③3歳500万下、4歳1000万下、5歳以上1500万下
④3歳1000万下、4歳1500万下、5歳以上2000万下
⑤3歳1500万下、4歳2000万下、5歳以上2500万下(準OP)
⑥OP
この場合、混合戦になる夏のローカル戦などは圧倒的に古馬有利となります。特に③④などは重賞に乗りかかった古馬も多く(①ならクラッシック時2勝級の馬が休養明けで出られる)斤量にもよりますが、下級条件戦なら古馬有利と言えます。
それを踏まえて現在はと言うと…(①②は除く)
③1勝級(未勝利馬可、3歳~古馬で賞金500万下の馬)
④2勝級(未勝利馬可、3歳~古馬で賞金1000万下の馬=2勝馬、1勝馬含む)
⑤3勝級(未勝利馬可、3歳~古馬で賞金1600万以下の馬=3勝馬、1勝馬・2勝馬含む)
【下級条件戦はキャリアの浅い馬から】
現在は近年まで続けられた4歳馬優遇制度(賞金減額制度)が廃止されましたが、それでも3歳夏以降の下級条件戦は基本的に3歳馬有利(年明けの最下級条件なら4歳馬有利)です。理由は簡単で、デビューから1年足らずで1勝した素質馬と、3年走って1勝しかできない馬とは能力差が明らかですし、斤量も3歳有利。
2013年にデビューしたサウンズオブアースという馬がいました。有馬記念やジャパンCなどのG1レースを2着3回、大活躍したOP馬です。3歳春の2勝馬ですが、仮にこの馬が京都新聞杯をパスして夏のローカル2勝級に出てきたらどうなるでしょうか?少なくとも古馬2勝級で頭打ちになっている5歳馬6歳馬とは勝負にすらならないでしょう。
このように、下級条件は「キャリアの浅い馬」を明確に狙うべきと断言できます。ただし、古馬でも病気やけがなどの理由でキャリアの浅い馬がたまに出走してきますので、馬柱欄の特に過去の対戦相手とか重賞歴有無は要確認で、新馬→重賞入着→クラッシック断念後に休養→条件戦圧勝のパターンにハマる3歳馬は押さえるべきです。
4)中上級条件戦(2勝級、3勝級)
2勝級3勝級(準OP級)にもなると馬の能力も高く、関係者もそれなりにレースを選びながら使ってくることが増えます。原則的には1月~3月期なら4歳と5歳以上が拮抗、4月~6月なら4歳やや優位、7月以降はローカルなら5歳以上古馬優位(ハンデや距離の条件次第で4歳と互角)、秋以降は4歳優位となる傾向にあります。
【中上級条件戦は関係者の狙いを読む】
2勝級は試しに使う馬も多く、現級頭打ち古馬と伸び盛りの若駒が混在するので、下級条件に同じく浅いキャリアの素質馬狙いでいいと思います。特に3歳夏以降の3歳馬、翌春の明け4歳馬が勝つ比率が最も多いレース条件でもあります。上積みが期待できる若馬を狙うべきレースでしょう。
3歳3勝級ともなればクラッシックに乗りかかった重賞級の馬が多く、古馬含めて信頼性が高く能力比較もしやすいので買いやすいレースです。重賞予備軍という位置づけで重賞へのステップUP戦として、マイラーならマイル戦・中距離馬なら中距離戦と馬の能力に合わせたレースで使ってくるのでハンデ戦であっても予想を立てやすいと感じます。3勝級のポイントは「条件戦では強いが重賞では足りないタイプ」馬の選別です。現在は特に番組の増えたダート戦で多く見られますが、OPの壁や重賞の壁があるタイプの馬です。
これは各条件に少なからず存在し、2勝級でも考え方は同じ。昇級してしまうと壁に当たり賞金獲得すら難しくなるので、馬の能力に合わせたクラスに可能な限り在籍することを関係者は考えます。(特に調教師や関係者は馬の能力を冷静に判断してますので)使うレースを概ねスケジューリングして使い、除外や休養を考慮に入れながら使うことになります。ベテラン古馬なら上手く着賞金を拾いながら、メンバーが手薄になる頃に勝ち上がることを目標にします。以前の賞金条件だと「互助組合」などと揶揄されたこともありましたが、現在は公平性の問題から賞金条件は決められていて、こうしたことは起こりにくくはなりましたが…
近走2着や3着など入着続きで今度は確勝と思ったら意外な敗戦…頭から買えないのはこの手の馬です。現級に長く留まっている馬よりも、中下級条件では「ここは通過点タイプ」を狙い、上級条件では冷静に「現時点での勝ち負けできる能力比較」を重視する…と決めてます。なんでここを使ってきたのか?の馬は、その3で書いた「馬の勝機は馬券の勝機」の精神で、勝ちに来てるか来てないかの冷静な判断が必要になります。
※参考まで、3歳馬で夏の混合2勝級を快勝なら相当の能力があると判断。3勝級勝ちなら重賞級(菊花賞や秋華賞)と判断できます。
3,OP、L(2歳、3歳春)
一生に一度のクラッシックに向けて使ってくる馬が大半で、ビシッと仕上げて目一杯の競馬を繰り広げるため狙いが立ちやすいレースです。重賞を避けて勝ちを意識してきた素質馬(重賞と違って2着では賞金加算できない)を狙うレースですが、そのような馬は確実に人気になるので馬券的な妙味はやや薄いです。頭数が手ごろで有利不利の少ないレースが多いので、後々の重賞やクラッシックに向けて大変参考になります。
特に関東なら府中千六・千八・二千四百、中山千二・二千・二千二百など地力勝負になりやすいコースの特別戦は積極的に買いに出ても損はしないと思います。前走内容重視で、時計よりも内容重視と決めています。また関東圏の特別戦の関西馬や、逆に関西圏の関東馬は思惑も絡んで思わぬ好配当になることも。ちなみに個人的に最も回収率の高いレースジャンルはここです。
4,OP、L(3歳夏以降)
夏以降になると古馬混合戦が始まりますが、条件戦と違い単純に3歳馬有利とも言えなくなります。これはOP級の古馬の経験と地力が3歳の若駒を上回るからですが、「いやいや3歳でも重賞勝ちするだろ?」と言われるのは承知の上です、重賞に回れるような3歳馬はもはやここのレースジャンルには出走してこないのです。
特別戦とはいえ古馬なら重賞の入着常連級が普通に出てくるレースで、別定や定量戦なら古馬有利と言えるかと思います。年が明けて4歳以上OPの条件になる頃には4歳馬有利となりますが、世代別レベルの考え方がこの辺のレースになると生きてきますね。特に経験値がモノを言うダート戦は古馬有利と見て間違いないですが、逆に3歳秋でOP特別を楽勝するような馬なら重賞の活躍が約束されたようなものでしょう。
【格上挑戦には要注意】
格下馬が出走して来た時は(重賞も同じ)一概に馬鹿にできません。関係者が条件に合ったレースでしかも格上戦でも勝負になると踏んでるわけですから注意が必要です。ダービー馬レイデオロの祖母でレディブロンドという馬がいましたが、デビュー戦はなんと古馬1000万条件(レディブロンドが5歳未勝利の身分で)を選択し見事に1着。次は自己条件の500万条件を楽勝し1000万条件×2及び1600万条件を5連勝で飾りました。これは極端な例ですが、格下馬が狙ってくる場合は一概に否定せず条件次第では強気に狙ってみることも必要です。
現在は馬房数に対して預かり頭数が多く、多数の出走制限ルールがあるのでこういうことは起こりにくいのですが、あくまでも参考例として覚えておいてください。蛇足ですが、個人的には現在の新馬戦出走制限ルールや成績制限など見直す時期だと感じます。このままだと2歳~3歳のキャパオーバーで、地方転向再転入とかダート戦の賞金加算狙いとか或いは海外デビューの扱いとか色々問題が起こりそうな予感はあります。いっそ4場開催(騎手確保と関係者の労力が大変)や、クラッシックの完全トライアル制、賞金制度の改定など…見識者の議論を期待しています。
※次回は重賞になります。ハンデキャップ重賞もあるのでハンデの考え方や世代別の有利不利にも触れられたらいいなぁと思ってます。それではまたお会いいたしましょう♪

