微小循環理論と組織型 | 「あとは緩和」といわれたら

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“微小循環理論”では、組織型をどのように捉えるかについて

コメントしてみます.

 組織型とは,腫瘍細胞の分化と増殖形態に基づく病理組織学

的な腫瘍の分類を意味します.

 

 例えば肺がんは,腺がん,扁平上皮がん,大細胞がん,

小細胞がん(神経内分泌腫瘍)と大きく4つの組織型に

分けられます.同様に他臓器においても様々な組織型のがんが

発現し、細かい分類や分化度を含めるとがんは非常に多くの

組織型に細分化されます.

 

 現在のがん診療では、組織型により治療戦略が決まることも

あるため、組織型はがん診療において“敵を知る”ための非常に

重要な“情報”となります.
 

 しかしながら,当院の微小循環理論では組織型を、

がんが“ゆりかご時代”から“臨床がん”へと成長してきたときの

最終的な単なる“見た目”と捉えているにすぎません.

 

 微小循環理論では、がん組織を構成する一個一個のがん

細胞の特徴の本質は,微小循環内の細胞周囲環境に端を発する

と考えます.

 

 そのため、臨床がんの“見た目”がどうであれ、微小循環理論

でがんを論じる場合においては、組織型という項目が考慮

されることはありません。
 

 日本の著名ながん研究者,故・吉田富三博士の著書

『吉田肉腫』に以下の文章があります.
 

 『日常我々が遭遇する悪性腫瘍は,多くの場合,ある種の組織

学的構造を示して居るが,それは果てして悪性細胞の生活に

とって,必然の秩序とみなされるべきかどうか.

  癌の理解にとって最後的に重要な点は,癌細胞その者の生活

様式,生活条件を知ることである.』(原文ママ)
 

 当院の考え方は,組織学的検査の結果・存在を軽んじているの

ではなく、吉田富三博士のいう,「癌細胞その者の生活様式,

生活条件」を“微小循環理論”という別視点から捉えるに

あたっては、組織型を考慮に入れなくとも,とりあえずは,

がんを論じることができうる,というだけの話です.
 

 なんか,わかったような,わからないようなコメントですね.

当院の定期セミナーでは,このあたりもわかりやすく

説明します.照れ