『世界がん撲滅サミット2023 in OSAKA』
行ってきましたので簡単に報告を.
まずは,
マーク J. ラテイン(Mark J Ratain)シカゴ大学プレシジョン
医療研究センター・センター長の訪日初講演.
そして,「がん休眠療法」の高橋豊先生の公開セカンド
オピニオンへの登壇.
今回,主な目的はこの2つやね.
昔,高橋豊先生が企画された進行胃がんに対するS1という
抗がん剤を単独で使ったケースと,S1に低用量の
イリノテカンという抗がん剤を併用したケースを比較した,
無作為第二相試験があった.
以下,サミットスライドより抜粋.
◆ イリノテカン投与での副作用が激減した
重篤な副作用は認められなかった。
このように,個別化投与を行う群が、縮小効果においても,
副作用においても優位であり、通常ならば第三相に進むのが
普通であったのに、絶対値が低い(?)という非科学的な
意見で第三相試験に進むことはできなかった経緯があった
とのこと.高橋先生,さぞかし無念であったろう.
さて,がん撲滅サミット実行委員会は,現在,大坂PMDA (PMDA関西支所)に遺伝子治療,再生医療,進行抑制治療,
微生物医薬品などの「審査機能」を付与し,大阪を先進医療の
中心都市にすることを厚労省に働きかけている.
この動きは,東京一点集中体制からの脱却と個人的には
理解しており,歓迎すべきことだと思う.
がん休眠療法も大阪PMDAで,“進行抑制治療”の1つとして
医師主導型臨床試験をやり直せばいい.
そして,もしやるなら,胃がんよりも卵巣がんのTC療法が
個人的にはお勧めだ.当院の経験から,胃がんよりもクリアに
結果が出ると推測する.
ということもあり,『世界がん撲滅サミット2024 in OSAKA』,
来年も大阪国際会議場で11月24日開催予定です.