11/3のご報告 | 「あとは緩和」といわれたら

「あとは緩和」といわれたら

少量抗がん剤治療(がん休眠療法)で
元気に長生きを目指す ー

『世界がん撲滅サミット2023 in OSAKA』

行ってきましたので簡単に報告を.

 

まずは,

マーク J. ラテイン(Mark J Ratain)シカゴ大学プレシジョン

医療研究センター・センター長の訪日初講演.下矢印

そして,「がん休眠療法」の高橋豊先生の公開セカンド

オピニオンへの登壇.下矢印

 

今回,主な目的はこの2つやね.

 

 

昔,高橋豊先生が企画された進行胃がんに対するS1という

抗がん剤を単独で使ったケースと,S1に低用量の

イリノテカンという抗がん剤を併用したケースを比較した,

無作為第二相試験があった.

以下,サミットスライドより抜粋.

 

◆ イリノテカン投与での副作用が激減した

  重篤な副作用は認められなかった。

◆ 結果的に適量が半分以下になった症例にも有効例が多数
  認められた。しかも標準量が適量だった症例と有効率に
  差は認められなかった。
 

 

このように,個別化投与を行う群が、縮小効果においても,

副作用においても優位であり、通常ならば第三相に進むのが

普通であったのに、絶対値が低い(?)という非科学的な

意見で第三相試験に進むことはできなかった経緯があった

とのこと.高橋先生,さぞかし無念であったろう.

 

さて,がん撲滅サミット実行委員会は,現在,大坂PMDA (PMDA関西支所)に遺伝子治療,再生医療,進行抑制治療,

微生物医薬品などの「審査機能」を付与し,大阪を先進医療の

中心都市にすることを厚労省に働きかけている.

 

この動きは,東京一点集中体制からの脱却と個人的には

理解しており,歓迎すべきことだと思う.

がん休眠療法も大阪PMDAで,“進行抑制治療”の1つとして

医師主導型臨床試験をやり直せばいい.

 

そして,もしやるなら,胃がんよりも卵巣がんのTC療法が

個人的にはお勧めだ.当院の経験から,胃がんよりもクリアに

結果が出ると推測する.

 

ということもあり,『世界がん撲滅サミット2024 in OSAKA』,

来年も大阪国際会議場で11月24日開催予定です.