先週11月3日,祝日の朝,
Ratain教授(ガチの世界的がん医学界のリーダー&重鎮)
の抗がん剤の減量の話と,
東北大学の出澤真理教授のMuse細胞(体の中の修理屋さん)
の話を直接拝聴したい!となり,急遽,大阪で開催されている
「世界がん撲滅サミット2022 in OSAKA」の会場に向かった.
Ratain教授はイスラエルでの学会出席のためビデオ講演で
あったが,米国の最新の情報・動向を紹介して下さった.
もともとの標準量を見直し投与量の最適化の検証を行うことを
FDA(アメリカ食品医薬品局:日本の厚生労働省みたいなもの)が求められているという話が,ここ数年同氏よりなされていたが,その圧力はより強くなってきているという印象を受ける.
薬剤費の高騰は,国民皆保険の整った日本よりも米国のほうが
より個人負担という意味ではより切実で,そうなると薬剤量
再検証して投与量の最適化を探ろうとするのはある意味あたり
まえか.薬が高価なら,その使い方に工夫はないのか?減量
できないのか?といったことを検証する動きが出てくるのは
「必然」ともいえる.
もっとも,株主の配当を第一とするグローバル製薬会社相手に
簡単な話ではないだろうが,世界的なインフレ,経済危機が
薬剤量を見直そうといった動きを今後さらに加速させるのでは
ないか.そして,その動きは「黒船」として,いずれ日本にも入ってくると推測する.
本講演,Ratain教授の結語スライドは以下の如く.(↓)
世界がん撲滅サミット2022inOSAKA
世界がん撲滅への未来戦略講演
「米国が描くがん撲滅戦略2022」Mark.J.Ratain,MD より引用
・がん患者さんは、特に用量が最適化されていない薬剤に
ついて,主治医に使用薬剤の低用量使用について検討したか
どうかを是非尋ねてみましょう.
・ 世界中の規制当局は、すべての新しい抗腫瘍薬に対して,
用量の最適化を求める必要があります.
・ 市販薬の低用量の研究は優先度が高く,理想的には政府機関
による資金と研究が組まれるべきです.
(意訳していますが,前後のスライドとの関連がないと
今一つスッキリ意味わかるように訳しにくね.)