新型コロナの自粛中に,患者さんたちの
データ整理を行ったので,視点を
腹膜播種・がん性腹水に絞りデータ解析をしてみた.
対象:当院にて少量抗がん剤治療を導入した
臨床上,腹膜播種と診断された136症例
その腹膜播種136症例をがん性腹水貯留の有無で
2群に分けると,
◆ 腹水貯留群 :69症例(51%)
◆ 腹水なし/少量貯留群:67症例(49%)
であった.
腹膜播種があるからといって,
必ずしも治療対象となる腹水が溜まって
くるわけではなく,溜まる・溜まらないは,
ほぼ,半々といった感じ.
さて,少量抗がん剤治療を導入した
治療対象となる腹水貯留のある患者さん69症例中,
30症例(43%)ので,がん性腹水の消失・軽快を
認めた.
CART(腹水濾過濃縮再静注法)治療中の人も
併用可能.
腹水消失で,CARTから離脱できた患者さん,
腹水減少で,腹水穿刺やCARTの施行間隔が延びた
患者さんも多い.(↓)
https://ameblo.jp/gin-nami/entry-12524533692.html?frm=theme
https://ameblo.jp/gin-nami/entry-11868396509.html?frm=theme
最近は,腹水コントロールの薬剤選択が少し
進歩してきたようにも感じており,
もう少し治療成績はいいかも.
症例が蓄積されたら,昔の腹水症例と
最近の腹水症例で,比較検討してみるかな.
いずれにせよ,がん性腹水でお困りの患者さん.
特に,がん性腹水に対して治療はない,
と言われている患者さん,
少量抗がん剤治療は,治療選択肢の1つですぞ.