科学的根拠といった言葉が日常化し,
医学の世界でエビデンスベースドメディシン(EBM)が
強調されてきたのは,1990年代初頭頃からか・・・
丁度,当方が医師として社会人デビューした頃だ.
研修医時代,エビデンスをブンブン振り回す先輩医師は,
正直なところウザかったし,嫌いだった.
そんな自分も,気がつけば,ウザかった先輩医師同様,
エビ,海老と・・エビデンスを連呼する時期があった.
p値による2 値の決定は便利でもあるため,
このおよそ30年間,医学界はp値 <0.05であるかどうかに
翻弄されてきた感があるが,
それはそれで1つの時代であったのだろう.
そして,針の振れすぎ現象には,必ず,
“ちょっと待て,それでいいのか?”という検証の時期が来る.
今がそういう時期なのかもしれない.
英科学論文誌「Nature」に3月20日付で,
「統計的に有意差がないため、2つのデータには差がない」
─ こんな結論の導き方は統計の誤用だ ,とする声明が,
科学者800人超の署名入りで掲載された.(↓)
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/1903/26/news112.html
なんとなく時代の変化への蠢きを感じ,面白くなってきた.
今後の世の中の変容を一歩下がった位置で
観察していこうと思う.
p値については,以前ブログに書いていたので参考までに.(↓)
https://ameblo.jp/gin-nami/entry-12333865326.html
この辺も,読みやすいかも.(↓)
http://cell-medicine.com/topics/米国統計学会の声明:「p値や有意性にこだわり過/
ちなみに,統計学者のNelder,J,A.は,
『統計科学を発展させていく際に,我々の前にある
最も重要な仕事は,純粋科学,応用科学,工学の
多くの分野で驚くほど根をはっている p値の文化を
破壊することである』 とまで述べている.
Nelder, J, A.(1999).Statistics for the millennium:
Form statistics to statistical science.
The Statistician, 48(2),257-269.
Nelderさん,過激だね〜
“破壊&創生”・・・
中二病っポイ響き,嫌いじゃない!
あと,今回のNature 誌の件で,
ベンジャミン・ディズレイリの言葉を思い出した.
『嘘には三種類ある.嘘,大嘘,そして統計である』