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自社製作小説置き倉庫(詳細は説明欄をお読みください)

☆小説の原材料名:ツンデレ要素多(ファンタジー・現代物)・面倒臭い人多・不器用性質多・普通じゃない恋愛多・っていうか人間の人生に普通なんてもの自体無いよね・てか人生は生き地獄だし。
それでも人を求めてしまう。


この国にしては珍しく日差しが穏やかな昼下がり

今日の日和は心地良く暖かく、陽射し除けが要らない程。

気持ちが良い・・ 思わず外気に当たりたくなり、机から立ち上がり窓を開け放つ。

開放した窓からまだ少しだけ涼しい風が入り髪をそっと揺らした。

この部屋から見える王城の中庭では娘達が元気良くはしゃいでいるようで、ここまで元気な声が聞こえてくる。

その声たちに安堵し、そして窓の外の遠くに見える広大な海と砂漠を仰ぐ。

ここは城の最上階でもあるため遠くまで良く見渡す事が出来る。

空は澄み渡って、海原は穏やかに波打ち、砂漠の地平線も静かに時を刻んでいるようだ。

昔はこのような素晴らしい景色を眺める事は出来なかった。初めてここを見た時それはそれは、生まれて初めてだと感動した・・。私室を最上階にしてくれた貴方に今も変わらず感謝している。

この美しい景色が永遠に変わらない事を切に祈りを捧げる。

しばらく景観に酔い痴れていると、遠くから呼ばれる声が聞こえてくる。

中庭にいた娘達が私に気付き、遠くから楽しそうに手を振りながら呼んでいた。

私もその声に答える為、大きく手を挙げる。

彼女らの姿と城下に広がる街々、遠くに美しい景色・・・。

ああ、これが幸せと、人は呼ぶんだろう。

決して長く続かないとは理解していても、私はこの幸せに浸っていたい。

・・・・そうだ。

この気持ちや状況を今のうちに書き留めておこう・・。

もう一度机に戻り、新たな紙とペンを取り、考えながらゆっくりと紙上に走らせる。

・・・しばらく、止めずに書き続けていると、いつの間にか現在から過去に至るまで書いていた。





(・・・・・・・・・・・。)



そういえば。

彼と出会ったあの日も、今日の様な日日だった・・・。

この際、このままさらに過去まで遡りここに綴っておこう。

私のあの運命の最初の日。

そこから今に至るまで・・。



(貴方はきっと、私があの時こんな事を思っていたなんて・・知りもしないのでしょうね・・。)



私だけの秘密の物語。

それはまるで今も未来へと続く知られざるお伽話。
















5年前・・・・・





海と砂漠の王国、「王都レスリア」

一年を通した気候は温暖な夏型気候。

年中、灼熱の太陽が地を照りつけ、雨は年に一度の雨季以外は望めない。

人間が居住する区域以外は乾燥した大砂漠に覆われ、その環境に適した生物以外は長居が出来ない。

大海原に浮かぶ砂漠の島であるこの国は、三つの都で区分されており、人間はそれぞれ城壁を築き街を形成している。町以外の領域は当然砂漠に支配されていた。

しかし人間が支配する領域は砂漠の半分にも満たないのだ。

そして三国の一つ「王都レスリア」は、王都と呼ばれるが故に、三国の頂点に君臨し国を大昔から統治し続けていた。

そして「王都レスリア」を何百年も前より統治しうるは、王家のレンジェロ家である。



ここに一人の少女が居た。



市場はいつも多くの人々で賑わいを見せている。

しかし今日は一際混雑が激しく、人々の活気も何時も以上に浮き足立つ様にざわついている。

私もそんな人々の一員だけど。

飛び跳ねてしまいたいほど足取り軽々として、目的地まで自分の速さで歩みを進める。

ごった返す市場の大通りでは、すれ違う人が怪訝そうに避けて足早に去っていく。

沢山抱えている買い物荷物だけ落してしまわないように注意しながらさらに人が密集する場所へ向かう。





(荷物落としちゃいそう・・。でもこんなお使いでもないと外出出来ないし・・。こっそり買い物ついでに寄り道するんだから、壊さないように

しないと。)



胸に抱きしめた荷物を持つ手に力を入れ直し、大通りではなく人の少ない路地裏から回り道しようと方向転換した。

市場は大きな通りとなって隣国とレスリアを繋いでいる為、その規模はかなりのものだ。

大昔はただの道だったそうだが、ここを通行する旅人を対象に商いを始める為に露店を開いたのが始まりだそうだ。

長い年月を掛け、この様な国と国の架け橋となった。

その市場の丁度真ん中に位置する場所に、憩いの場である大噴水の広場がある。

普段は通行人や行商人・旅人の休憩地点なのだが、今日だけは少し違う意味の場所になるのだ。

それこそ本日市場でのメインイベンであり、お使いついでにどうしても見に行きたいイベントが行われる会場なのだ。

今日、この市場や城下町の市民を視察する目的の為にレンジェロ家の王族達の一団がやって来る。

ここに集まってくる人間は野次馬の如く大広場を取り囲むように集結しつつあった。

彼女もその一人だった。

一般市民が王族の人間を見る事が出来る機会は決して数多くない。

しかしこうして人々が集まるのも、現国王、第41代目゛ガルフォルド・ウォル・レンジェロ″の人徳と高い統治力あってのものである。

そして彼にはたった一人息子が居た。

その息子も15歳の年を迎えるため、正統な王位継承者として今回の視察に初めて同行する。これが民衆の前に顔を出す初めての機会であった。





(・・・王子・・かぁ。一体、どんな人なんだろう・・・?)



正直、心中は期待よりも不安の方が勝っていた。

それは彼女にはそもそも外出のチャンスさえ乏しい。また自分が今、身を置く施設の規則に多少也とも反している。

だが彼女は決して他の人々が胸躍らせているような感情で、王族の視察を見学に行くなどという訳ではない。





(確かめなきゃ・・・・。自分のこの目で。)



たった一目、確かめる。

目的の大広場は目の前の角を曲がればもうすぐである。

すると、何か影が目の前に突然現れ・・・





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