自社製作小説置き倉庫(詳細は説明欄をお読みください)

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☆小説の原材料名:ツンデレ要素多(ファンタジー・現代物)・面倒臭い人多・不器用性質多・普通じゃない恋愛多・っていうか人間の人生に普通なんてもの自体無いよね・てか人生は生き地獄だし。
それでも人を求めてしまう。

Amebaでブログを始めよう!

「あっ!亜莊!!??」


亜莊馨が仁王立ちで仏頂面で立っていた。


「な……なんで亜莊がここに…?」


鳩が豆鉄砲喰らったような俺を一瞥して


「…あんたねぇ…ほっんとに尾行下手くそ!!」


「…は…???」


「まだ分かんないの?あたしはあんたに敢えて尾行させるようにしたの!
でもあんた下っ手くそ!最初っからバレバレだっての!」


まじかよ……
じゃあ俺はコイツに踊らされてたって事か…

ガックリと肩が落ちた…


「…そ、そんなの言い掛かりじゃないのか?!」


せめてもの反撃。
こいつが初めから仕組んでたとか話が出来過ぎだっ!


「…じゃああんたの行動当ててあげようか?私もしっかりチェックしてたのよ?

まずあんたは最初から二番目店、の八百屋に入る前に少し見失った。八百屋であたしがスイカを見ている時に追いついてきた…。どう……??」


ハイ…負けました。完敗です。仰せの通りですよ(泣)


「全く…あんたがこんなみっともない行動されちゃ困るの!
今からこれから尾行のノウハウを叩き込んでやるから、ついて来なさい!」


「は……?あんたが?」


「あたしを誰だと思ってんの?早く、行くわよ」


亜莊はこれぞと言わんばかりにふんぞり返り、スタスタと商店街を再び歩き出した。


「おいっ!」


夕暮れ時の街中で腹が鳴りまくるまでヤツの特訓は続いた…

ちなみに今日の亜莊の行動は全て俺の技術審査と特訓の為にわざわざ仕組んでいたそうだ…

…回りくどい事を…


そしてこの日初めて亜莊馨と一緒に外食をした。

商店街の老舗お好み焼き屋

そこであいつはもんじゃ焼きなんぞ頼むもんだから、俺のもんじゃ焼き邪道意見と真っ向から対立した。


事務所への帰り道

歩きながら初めて仕事以外の話をした。

亜莊は普段の外出は俺が学校へ言ってる間に済ましているそうだ…

何故プライベートを頑なに隠すのか聞くと


「…そのうち分かるわよ…」

と空を見ていた。
そして空を見たまま

「…そういうあんただって、私と共同生活しなくても家に帰ればいいじゃない。」


確かにそうだ…
実家を思い出したがすぐに振り払った。

俺の家は親父が死んだ時に無くなった。
母親はそれまで住んでいたマイホームを引き払い実家に戻ったから名義上俺の家は母の実家だ。
けどその実家内は何でもそこそこ大きな家系のようで親戚同士のイザゴザが耐えない。
俺はその家が嫌になり高校入学と同士に父の事務所に逃げるように入り浸った。

今は完全に事務所で暮らしている。

母親には全く会っていないが、たまに片親違いの妹が遊びに来るから寂しいと思った事はない。


ポツリポツリを俺が話すのを珍しく亜莊は黙って聞いていた。

亜莊の横顔を盗み見ると、何だか物憂げに見えたような気がした。


満月の下で亜莊の横顔が綺麗に見えたような気がした。



近すぎず遠すぎない距離を保ち陰に隠れながら見失わないよう後を追い掛ける。


………………あいつ…一体どこに行く気だ?

目標は八百屋に入ったかと思えばすぐに出て、次の書店をぶらつき出てきた…かと思えばまた歩いては立ち寄っている…。


…こちらに気付いてはいないようだけど………妙に変な意味不明な行動だ……



これぞ正に亜莊の秘密を突き止められるんじゃなかろうか…!!!


商店街を歩いていた亜莊はふと足を止め、裏路地の方を見つめていたかと思えば、
急に曲がり角に走って行ってしまった。


「あっ!!し…しまった!!


慌てて路地に入るが、その一本道の路地には人の姿は無かった。


「…いない…??」


おかしい…確かにここに来たはずなのに…

薄暗い路地にはゴミしかない。自分の目を疑った。


「…………あの…」

「…………。」

あまりにも呆気に取られすぎて人の声にすら耳に入って来ない。


「!!!!!」

すると突然左のほっぺたを誰かに思いっきりつねられた。


「いってぇっ!!」

痺れる頬を押さえて背後を振り返ると、


「あっ!亜莊!!??」



…亜莊馨は実に謎の多い人間だ。
外見からだと同い年か年下に見えるが、彼女の素性を実はよく知らない。
今だって、俺には意味不明であるパソコンでの顧客情報の整理や事務所経費のリストアップをしている彼女の動作を見ていたら本当に高校生なのか疑わしくなってきた…


今日は休日!日曜日!
平日は俺の学校があるから、大きな依頼の調査なんかは大体土日に行う。
昨日の依頼、家出した女子中学生捜索を見事解決し(亜莊が)今日はその事務作業に追われていたんだが、

(っても…俺が出来る事は無いから亜莊のご機嫌取りだけど…)

作業中の彼女の淡麗な横顔を眺めていたが全くこちらには見向きもせずにパソコンに向かっている。


(…そういえば、本当にこいつの事何にも知らないんだよな…)

平日学校に行って居る間は知らないが、他の時間やこうした休日は大抵一緒に事務所に居て外に一人出掛ける姿を未だ見たことがなかった。

この事務所はさほど広くはない。亜莊の生活スペースは事務所の元物置部屋に無理やり作ったものなのだが、その元物置部屋には今や賢弥は入る事を禁じられていた。
賢弥には同居人の素性を知ることは今まで出来なかった。

(一つ屋根の下で生活するのは大変なんだよなぁ…
俺が実家に帰れば早い話なんだが…)

するとパソコンに向かっていた亜莊が作業を終え、立ち上がった。


「今日の仕事は終わったから。ちょっとこれから出てくる」


「え……あ、あぁ…」


単調な口調でそれだけ伝えると亜莊は上着を持って事務所を出て行こうとする。


ん…? 待てよ…??
これってもしやあいつの事を調べるチャンスなんじゃないか?

出ていった後、窓から覗くと亜莊は駅とは反対方向の住宅やビル群の方面へ歩いていた。


これであいつの秘密を探る事が出来れば…このパシり生活からおさらば出来るんじゃ……!!

そうと決まれば…

亜莊を尾行だっ!!!!!!!



先ほどまでクラスメイトに可愛らしい笑顔を振りまいていた姿とは打って変わっていた…


すかさずお茶を出すと


「あ~あ、何なのあの下品な奴らは?!お客様にお嬢様ぶったら肩凝ったな~」

チラッと俺に視線を送る。

ハイハイ、分かってるよ!
やればいいんだろ!やれば!!


亜莊馨、これが彼女の本当の姿だ…

こうなった事の次第は先週の事件に遡る…


俺が住むこの街のある大会社の重役が社内で何者かに毒殺されかけるという事件が起きた。

被害者は幸いにも一命は取り留めたが、事件当時は意識不明の重体。

この犯人逮捕の捜査協力の依頼がうちに来たのだ。


しかし…俺は本物の名探偵だった父のこの事務所を名前だけ引き継いだだけで、全く推理とか出来ねーんだよ!!!


クイズすらマトモにわからねー俺が事件解決なんぞ出来る訳ない…


けど依頼を断れば事務所は止めざるを得なくなる…


そんな時に奴が現れた。


奴は事務所に入ってくるなり

「あんたにあたしの知恵をかしてあげる。その代わり私をここに置きなさい」


事件を解決出来なければ事務所解散、解決出来れば莫大な謝礼と名声が手に入る。


俺は賭けに出たって訳だ。

亜莊の知恵と洞察力を借り、あたかも俺が解決したように振る舞い事件は無事解決した。


そして今ここに名探偵八神賢弥はいる。


実際、亜莊はとんでもなく頭の切れる人間だった。

素性は全く謎だが、勉強出来るというだけでなく天才肌というかとにかく頭がいい。

普段の事務所運営も奴の機転を利かせて乗り切る事がほとんど

しかし生活面ではコイツにこうしてこき使われ、パシられ、下等生物のように肩身の狭い思いをする事に…



「マッサージの次は、コンビニでアイス買って来て」

「は…?もう時間遅いんだけど…??」

亜莊は振り返り天使の様な笑顔で

「嫌なの?」

「……イェ、行きます…」



名探偵だろうが何だろうが、こんな姿誰にも知られたくね~!!!!!!!!!!(泣)




いつも目を通す新聞に大々的な見出しの文字が踊っている。


『天才現る!!名探偵八神』


記事内容にはついこの間の事件の内容の事のあらましに多少誇張も含まれていた。



思わずため息混じりに宙を仰ぎ、誰も居ない放課後の教室で広げいた新聞を畳んだ。


そこに廊下から数人の男女が騒ぎながら教室に入ってきた。


「お~八神!」

同じクラスの騒がしい奴らだ。
内心の鬱な気分を出さない様にいつものスマイルを作って彼らの話しに合わせた。


「八神の事務所に遊びに行ってみたいんだけどよ~今日これからいいか?」


「ああ、もちろんいいよ」


いやいや、勘弁してくれ。
マジ来んな…


「やり~!♪八神は良い奴だな」

「ははは」


よりによって事務所に来る気かよ…出来るだけ早くこいつ等を帰らそう…

……なんせ俺の探偵事務所にはすげーのが居るからな…






****************************


八神賢弥、今年で高校二年

そして本日付の新聞に載った名探偵八神こそこの自分である。
数年前亡くなった本物の名探偵であった父の後を継いで探偵時事務所を引き継いだ。

その事務所は駅からすぐの商店街を入って中程にある。

小さな古ぼけた三階建てビルの二階の通り側窓には印字の「八神探偵事務所」の文字が掲げてある。

階段を登り玄関の扉を開けると応接室の様な作りの事務所がある。


クラスメイトは「すげ~!」とか騒ぎながらドカドカと入って行く。

来客用ソファーに座らせると、仕切り奥のキッチンから


クラスメイト人数分のお茶を運んで来たセーラー服の女の子。
彼女のしずしずと配膳する姿に男子数人は途端に別の意味で騒ぎ出す。

「え~?君あの観音女学院の制服じゃん!?めっちゃ可愛いし!八神誰なんだよ」


「私はここで八神探偵の助手のアルバイトをしている亜莊馨と申します。」

男子共は馨と談笑しながら彼女の整った容貌とお嬢様の様な雰囲気と語り口に夢中になり始めていた。


良かった…彼女等を見てほっと胸をなで下ろす。

結局クラスメイトは馨と話す事で時間を使い終わり、夜事務所を後にした。


クラスメイトを見送り事務所へ戻ると…


「………………遅いっ!」

ソファーに腰掛け、足をテーブルに投げ出して座る彼女にいつものお茶を出す為に俺は走り出す。


「全く何なのあの下品な奴らは…あ~お嬢様ぶったら肩が凝ったわ~

これ見よがしにチラッと俺を見る。

あ~ハイハイ。肩をおもみすればいいんだろ!
分かってるよ!いつもの事だからな!!


亜莊馨、これが彼女の本当の姿だ。


「しっかりマッサージしてね。でないとあんたの秘密すぐマスコミに垂れ流すから(笑)」

「…………ハイ。」


俺だって好きでこんな奴に従ってる訳じゃない!(決してMではない!)


事の次第は先週に遡る…

探偵八神賢弥が新聞に載る事になった事件、この街の大会社で会社重役が社内で毒殺されかけた。
被害者は幸い一命を取り留めたが事件当時は意識不明の重体。
俺は探偵として犯人を見つけ出す依頼を受ける事になったんだが…


俺は名探偵だった父の探偵事務所を名前だけ引き継いだだけであって

これっぽっちも推理とか出来ねーんだよ!!!!!!!!

クイズとかすらマトモに分からない…

依頼を受けた時は解決する気なんか無くて、この事務所を手放す覚悟で依頼を断ろとした。

そこに奴こと亜莊がやって来たんだ…