エリマキトカゲとバジリスクはともに二足走行するトカゲだが、エリマキトカゲには大きな襟巻があり、バジリスクには胴部と尾に帆(神経棘の伸長)がある。
エリマキトカゲは走行時、普段体にピタリと付けている襟巻を後方に広げることでバランスが後方に移る。
いわば後頭部から背後へ重りを伸ばしたような状態になり、頭部・上半身が立上がる。
姿勢は人の直立歩行に近い角度まで引き上げられ、前足はだらりと下げたままで背を反る運動を助ける。
それに比例して、後半身のバランサーとしての尾の役割は小さいものになっている。

エリマキトカゲの胴椎の背側に反る働きは、腹側に曲げる場合とは逆向きのモーメントが発生させる。
神経棘の伸長・帆は見られない。

 

エリマキトカゲ

 

バジリスク

jesus christ lizard running on water

 

一方、バジリスクの走行姿勢は、エリマキトカゲより立ち上がらず、エリマキトカゲの姿勢をⅬ字型とするとバジリスクはM字型になっている。
バジリスクではM字型に前半身と尾を持ち上げてバランスを保つため、胴体と尾の両方の真ん中辺りに腹方向に曲げる曲げモーメントが発生する。それ故その部分の神経棘が最も発達する。
前足もエリマキトカゲとは異なり、脇を広げてバランスを取る。