現況では、9:1ぐらいでティラノサウルスの勝ちを想定するのかもしれない。

しかしながら、スピノサウルスの旋回の機動性を考慮すると、一筋縄ではいかない。

確かに、とてつもない咬力を持つティラノサウルスの巨大な顎は、一撃必殺である。

ただ、ティラノサウルスの頭部は、5百キロ近くある。これほど重いものをそうそう素早く正確に動かすことはできないだろうし、接近戦において、小回りの利くスピノサウルスの首を捉えるのはそう容易くはないはずだ。

さらに非常に骨密度の高い重い骨からなる骨格や第一指が接地する後足などからスピノサウルスは重量型の動物である可能性がある。そうであれば、首から背中まで厚い肉で覆われた肉の防御鎧を装備していたとも考えられる。

スピノサウルスがティラノサウルスのあごの第一撃を小回りの機動性と防御鎧でやり過ごすことができれば、

今度は低い位置にあるスピノサウルスの顎が側面からティラノサウルスの後足を狙うだろう。

この時点でティラノサウルスの後足は、無防備であり、後足を捉えられればティラノサウルスの顎攻撃は封印され、転倒も避けられない。まして、足首が損傷させられれば、立ち上がることもできなくなる。

捕食獣にとって、獲物の後足を狙うのは定番でもある。

特に水辺での狩りでは足が狙われる。

そのまま引き倒すか、いづれにせよティラノサウルスは後足を噛まれた時点で詰む。