ゴジラvsガメラ
アイスランド 調査隊基地の家 夜 暗い室内
緑光を放ち激しく輝く勾玉 開けた引き出しに入っている。
勾玉を見つめる翔の顔 緑光に反射する。
ベッドで眠る浅黄の顔 汗を吹いて、ひどくうなされている。
浅黄、ガバッと起き上がる。
近くの机に急いで駆け寄る。引き出しが開いている。勾玉がない。
振り返ると翔のベッドがもぬけの殻。
しまった、という顔の浅黄。
機器の設置してある大部屋
警報が鳴っている。
モニターの前に座っている桜井。モニターを凝視。
次々に研究員たちが集まり、後ろからモニターを覗き込む。
デュモント博士「ガメラが動き出すのか?」
桜井「地中の温度が70度です。どんどん上昇しています。もう100度に」
デュモント博士「全員、退避」
それぞれあわてて退避準備をする。
浅黄の部屋
ノック音。応答がない。
桜井、ドアを開けながら「のんびり寝ている場合じゃないよ、退避しましょう。
いよいよガメラが・・」
部屋 誰もいない。
桜井「まさか」あわてて取って返す。
家の戸口
桜井、飛び出してくる。そのうしろ、戸口からイヴァン、呼びかける。
「桜井!どうしたの?」
桜井「二人がいない」叫びながら溶岩湖へ。
溶岩湖の端
桜井、少し小高い場所に駆けのぼり、溶岩湖を見はらす。そこここから蒸気
が噴いている。
桜井「翔ーーー、翔ーーーー」応答はない。
蒸気の噴出音がうるさい。
イヴァンが追いつく。「アサギー、ショウーーー」
微かに子供の甲高い叫び声が聞こえる。その方向を凝視する二人。
蒸気で霞む中に小さな緑光が見える。100mほど向こう。
桜井「あそこだ」駆けだす桜井。続くイヴァン。
駆ける桜井。ズズズズと地面が揺れ、二人こける。
目の前で地割れ。その隙間から地中にオレンジ色の溶岩が流れているのが見
える。
ぞっとする桜井とイヴァン。
見る間に、地割れが広がる。
立ち上がり、進もうとする桜井の前で、地割れが一気に広がり、すでに飛び
越せない幅の溶岩の川になる。
固まっていた溶岩湖の全面にオレンジ色の筋が走っている。地下はもう溶け
た溶岩に満ちている。
イヴァン、桜井に追いつく。
イヴァン「これ以上進めない」
桜井、浅黄と翔のいる方を見る。
溶岩湖
今や、オレンジ色の筋がどんどん太くなって、溶けていない黒い部分の面積
はどんどん小さくなっていく。、
もう、溶けにくい岩盤が離れ小島のように幾つも灼熱の溶岩の海に浮かんで
いるだけ。
その一つに、浅黄と翔が取り残され、しがみついている。
桜井「くそ、どうすりゃいいんだ」
溶岩湖
浮かぶ岩の上 20畳ほどの大きさ。浅黄と翔が岩にしがみつく。
浅黄「絶対離しちゃダメ」必死で岩にしがみつく翔。
ドーンと何かがぶつかったように二人の乗る岩が傾く。
翔、手が離れ、ずり落ちそうになる。翔「キャーー」
浅黄が翔の腕を掴み引っ張る。
翔のズボンのポケットの中の勾玉が激しく光る。
岩はどんどん溶けて小さくなり10畳ぐらいに。
と、ググっと岩が溶岩の海から浮上し、ゆっくり桜井たちのいる方向に向かっ
てくる。
湖岸の桜井「ん?、あれは」イヴァン「岩の下を見て!」
二人の乗った岩の下にとても巨大な黒い塊が潜伏している。それが溶岩の中か
ら岩を押し上げ、桜井たちのいる岸に押しやっている。
少しグイッと持ちあがったとき、巨大な目と牙が見え隠れする。
桜井「ガメラ!」イヴァン「・・・」
岩がグラッと傾き、浅黄たちがよろめく。翔、悲鳴。今にも転げ落ちそう。
桜井「ガメラ、ゆっくりゆっくり、静かに、そうそう、もう少しだ。ゆっくり、
そう、こっちだ、こっち」
身ぶり手ぶりで祈るように語りかける。
オレンジ色の溶岩湖を二人を乗せた岩がゆっくり進む。
ゴゴンと音がして二人の乗った岩が桜井の前に接岸する。高低差は2mほど。
桜井「今だ、飛び降りて!」すぐ下に行って両手を広げる。
翔が飛び降りる。受け止める桜井。すぐに横に降ろすと、今度は浅黄を受け止
めて、ひっくり返る。
イヴァン、駆け寄り浅黄を助け起こす。
翔、桜井に飛びつき「ガメラが助けてくれたよ。見たでしょ?」
桜井「見たとも」
熱気がますます増して服から煙。溶けた溶岩湖がじりじり足元まで広がる。
イヴァン「さあ、早く、早く」全員走る。
桜井、最後尾で振り返りながら逃げ去る。
逃げる彼らの後ろで二人を運んだ岩が溶けながら沈んでいく。
グツグツ煮えたぎる溶岩湖。
調査隊基地の家
自動車が3台、エンジンを掛けて止まっている。
心配そうにデュモントと調査員が待っている。
そこへ桜井たち駆けてくる。
デュモント「何をしていたのだ、急げ急げ」
桜井「ソリー、忘れ物があったもので」
全員乗るや否や、自動車走り去る。
溶岩湖の検問所
警察車両が緊急燈を点けて何台も集まっている。雲が溶岩湖の反射で真っ赤に。
そこへデュモントたちの車が来て、停車。
デュモントたち車から降りて、現場指揮官にデュモント
「ガメラが活動を開始した」
現場指揮官「ガメラ?」
桜井「ガメラは海に向かいます。海に帰る」今来た方向を指さして
「ガメラはここから西に進みます。住民の避難を」
溶岩湖 早朝 晴れ
飛ぶヘリコプター。
操縦席のパイロット その視点で
溶けた溶岩で満ちた溶岩湖 グツグツ沸き立つ。
一方向に向かって流れている。溶岩が流れるというより、地面を溶かしながら、
一方向に溶岩川が伸びていく。
つまり、何か高熱の物体が地下を移動するにつれて、その上の地表の木々や家が
燃え、地面が溶けていくので溶岩川が意思を持って進んでいくように見える。
その前方には北大西洋の海。
海に面する断崖。半ば辺りが溶け始め、そこから溶岩が海に流れ出す。
あたりは濛々たる噴煙と水蒸気に包まれる。
ガメラの鳴き声が響き渡る。が、姿は見えない。
アイスランド政府の対策会議室
政府要人「デュモント博士及び調査団のみなさん、あなたたちの迅速で適切な
情報によって被害は最小限に押さえることが出来ました。感謝します」
デュモント「我々は初期のうちにこの現象の原因がガメラである可能性が高いこ
とを認識できました。それはこの日本から来た研究者のおかげです」
デュモントが桜井たちを示す。
政府要人「あなたたちにはガメラの行動がわかると聞きしましたが、それは事
実でしょうか?」
桜井「科学的推測によって、ガメラの行動を予測することは可能です」
政府要人「ガメラを殺傷できる方法はないのですか?」
桜井「それは・・・・」
浅黄「私たちはガメラと交信できます。ガメラは決してゴジラのような悪しき破壊者ではありません」
この発言を聞いて、場内がざわざわ。
「あなたがたはモンスターの仲間なのか?」
「あなたたちが来たからガメラが動き出したのでは?」
不穏な空気。戸惑う桜井と浅黄。