アシアナ航空機着陸失敗の原因考察 | gildongのブログ

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流れない時の中で・・・

ブログテーマと無関係ですが、なぜかマスコミが報じないので、書くことにします。アシアナ航空機が着陸に失敗したのは、単純な操縦ミスとは言えないのではないか、ということです。・・・末尾に追記あり


通常、電波で飛行機を誘導可能な計器着陸装置(ILS)が設置してある西側から滑走路に進入するそうですが、当時は追い風となる北西の風が吹いていたため、管制官は、東側から滑走路に進入するように指示したと伝えられています。東側には計器着陸装置は設置されておらず、パイロットは、霧の中、目視で着陸しなければなりませんでした。


問題は、広島空港周辺の地形にあります。広島空港は、標高334mの高原状の台地の上にありますが、滑走路の東側は、標高25m程の沼田川の谷沿いまで、標高差300m以上がザックリ切れ落ちた斜面になっています。霧がこの谷沿いから斜面に沿って立ち上るといえるでしょう。


パイロットは、沼田川沿いの低地の上空に飛行機の高度を確保しながら滑走路に近づく中で、徐々に霧で視界が失われ、当惑する中で、飛行機は東側斜面の上空にさしかかるにつれて一気に高度を失うことになります。飛行機が急降下したのではなく、斜面に沿って地表面の高度が上昇するからです。おそらく、霧の中から、突然、空港東側の山肌か高原のヘリが姿を現し、ギリギリのところで山肌に激突するのを免れ、アンテナを引っかけて滑走路になだれ込んだ、と思われます。ひとつ間違えば、ドイツの航空機の事故のようになっていたと言えるでしょう。


添付画像は、Google earth によるものですが、これらを見れば、広島空港は「天空の城空港」と言えるのではないかと思います。



先ずは上空から。


hiroshima02

拡大すると、滑走路の先(右側)にオレンジのアンテナが見えます

hiroshima03

南側上空から・・・


hiroshima04

北東側から・・


hiroshima10

東側から(遠方に滑走路が見えます)


hiroshima11

接近すると、まさに天空の城!


hiroshima12

山肌に急接近


hiroshima13



hiroshima14

空港東側の地形図・・高原状の地形が見て取れます。


map

絵に描くと、このような感じになります。


sideview

パイロットはこのような地形を理解していたのか・・・


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2015.4.16 追記

割と詳しいプロの解説を引用します(着色は引用時に追加したものです)。



最新方式だったアシアナ機着陸、なぜ事故に パイロット気象変化に対応できず?
乗りものニュース 4月16日(木)10時59分配信
 
自動着陸よりもハイテク、適切だった着陸方法
 2015年4月14日(火)の夜に広島空港で発生したアシアナ航空162便(エアバスA320型機)の着陸失敗事故の真相は、15日から始まった事故調査により、事故当時の状況がだんだん分かってきました。ここでは、旅客機が広島空港に着陸するための方式を中心に、162便のパイロットが取った行動について解説します。
 
 広島空港への着陸パターン(進入方式)は主に4つあります。
 
【1】ハイテク化されたコンピューター(飛行管理システム)により事前のプログラムに沿って着陸する「アールナブ・アプローチ」。「滑走路28」側、つまり滑走路の東側から着陸するときに使用。

【2】「計器着陸装置(ILS)」を使用した「ILSアプローチ」。「滑走路10」側、つまり滑走路の西側から着陸するときに使用。

【3】「VOR」と呼ばれる電波標識を使って計器を見ながら滑走路の直前まで飛行させる「VORアプローチ」。これは「滑走路10/28」の両方、つまり東西両方向からの着陸に対応する複数のパターンを設定。

【4】計器や管制からの誘導に頼らず、パイロットが目視で周辺の状況を確認しながら手動で着陸する「ビジュアル・アプローチ」。
 
 162便が使用した進入方式は、【1】の「アールナブ・アプローチ」です。事故当時の風向きは「北北西」、つまり西よりの風。それを考慮して向かい風になるよう東側から着陸する「滑走路28」を指示したのは広島空港の管制官で、その判断に間違いはなかったと考えられます。この「アールナブ・アプローチ」は、GPSを使った高精度な位置情報とコンピュータープログラムを用いる最新の進入方式で、現代の旅客機はこの方式で着陸できる性能を持っています。
 
 コクピットの画面には、アールナブによって飛行すべきコースが表示されるため、パイロットは画面の指示と実際に飛行している位置を確認しながら操縦していくことになります。最終着陸態勢に入るまでは「自動操縦」が可能。そして滑走路の延長線上(10~18km手前)からはパイロットが手動で操縦します。
 
【2】の「ILSアプローチ」は、パイロットが「手放し」で完全自動着陸に対応しますが、162便の進入時、西側から着陸する「滑走路10」を使うことは「追い風」状態になってしまいます。よってこの方式は着陸時のリスクを高めることになるため、適当とはいえません。
 
見えなければ「ゴーアラウンド」がルール
 162便の着陸時は夜間で見通しが悪く、空港周辺の気象状況もあまり良くありませんでした。しかし着陸直前、20時の時点で滑走路を見渡せる距離(視距離)は1800mを維持しており、「アールナブ・アプローチ」での着陸に問題ない条件です。
 
 ただその後、雲(霧)の発生で数分、数秒単位で視距離が低下した可能性があり、この場合、瞬間的にパイロットから滑走路が見えなくなることがあり得ます。「アールナブ」は信頼性の高いシステムなので、空港からの距離があれば、その状態でも計器によって進入を続けられますが、安全のための「リミット」は定められています。地上から約450mの高度まで降下した時点で窓から滑走路が見えなければ、「着陸やり直し(ゴーアラウンド)」をしなければいけません。
 
 山を削って建設した広島のような空港は、最終着陸態勢で乱気流の影響を受け、機体がガクンと突き落とされるようなことも考えられます。しかし、そうした状況も予期できていれば「あらかじめ少し高い高度で進入する」「エンジンのパワーをすぐに上げられる状態を保って慎重に操縦する」など、経験を元にパイロットはあらゆる状況変化に対応する能力を持っているものです。
 
 162便に判断ミスはなかったのか、事故調査の焦点になるでしょう。
 
航空ジャーナリスト 坪田敦史
http://rdsig.yahoo.co.jp/media/news/ls/m/RV=1/RU=aHR0cDovL2hlYWRsaW5lcy55YWhvby5jby5qcC9obD9hPTIwMTUwNDE2LTAwMDEwMDAwLW5vcmltb25vLWwzNA--;_ylt=A2RADfjIMC9VlHIAbeGDN_17


(引用ここまで)


「アールナブ・アプローチ」は10~18km手前までとありますので、グーグルアースの画像にあるような位置では、パイロットは手動で操縦していたことになります。


山を削って・・という、地形に関する言及がやっと出てきました。


思うに、北西から向かい風が吹いていれば、その向かい風が、空港のある高原状の台地を通過したあと、空港の東側の傾斜地に達した時、下向きに吹き降ろす風になるのではないか・・・


それがダウンバースト?かどうかは、素人には分かりませんが、地形の変化が気流に与える影響はあるように思えます。


いずれにしても、見えなければ、ゴーアラウンドということでしょうが、


ここで、地上から450mの高度に達した時点で、それを判断しなければならない訳ですが、広島空港の場合、空港の標高が334mですから、手前の沼田川付近との高度差の分だけ、早く、高い高度で判断しなければならない・・・つまり、高度差の分だけ、判断が手遅れになる可能性がある・・・のではないかと思うのです。






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