※このお話は33巻からの続き未来のお話だと思って下さい。本誌とはズレが出て来ます。
泣いてるキョーコを抱き締めながら背中を摩って…暫くして彼女が落ち着いた後に、2人でふわふわのオムライスを完成させた。
そして…俺は最初にオムライスを作ろうって決めた時には また彼女に”∞”(無限)の文字を入れてもらおうと考えていたけれど…
作っている最中にもっと他に入れたい文字が頭に思い浮かんだ――…。
――”R.I.P. RICK”――(Rest In Peace レストインピース)
――どうか…安らかな眠りに…リック―――…。
いつか…お前の墓に必ず行くから…それまで待っていて欲しい――…。
そう2人で彼に誓いながら食べた”オムライス”の味は…今まで食べたオムライスの中で1番美味しく感じられた――…。
* * *
『…ふぅ………。』
オムライスを食べて2人で片付けをした後、キョーコはひとりでゆったりとお風呂に浸かっていた。
オシャレなスウェーデンのこの家はかなり広い造りで、バスルームも6畳ほどあるが オーナが社長の知り合いの日本人の為、風呂場は日本式になっていた。
『…今日は…本当に色々な事があったわね――…。』
キョーコは肩までお湯にしっかりと浸かりながら…長かった今日1日の出来事を思い出し始めた。
”妖精コーン”は蓮であった事
リックとの思い出と 久遠の辛かった過去の話
そして…お互いの想いが通じ合い…ひとつに結ばれた事――…。
キョーコは…自分の胸元に付いている”独占欲の証”である紅い花びらの数々を見て…顔を真っ赤にした。
『あ……。キ…キスマーク……////』
また…洗いながら よく自分の身体を見てみると…胸元だけではなく、他にも服で隠れる分かりにくい場所に付けられていた事に気が付いた。
同時にあの時 愛し合っていた最中に蓮が掛けてくれた”愛の言葉”を色々と思い出し…キョーコの心臓の鼓動は高まった。
――愛しているんだ…だから…君の全てが欲しい――。
「ありがとう…キョーコ…優しくするから…」
「…もし…不安を感じたら…俺の首に…ずっと…手を回していて…?」
「…感じさせてあげる……。キョーコ…。」
「……とても…綺麗だ――…。」
「キョーコ…気持ち良く…感じて声が出るのは自然な事だから…恥じらって唇を噛み締めなくていいんだよ…」
「…恥ずかしがらないで…大丈夫だから…落ち着いて身体の力を抜いて…声を我慢せずにもっとその可愛い声を聞かせて…?」
「…そして…もっと感じてごらん…?俺に身を任せて――…。」
* *
きゃああぁぁーーーーーー!!!
もうーーーーーー!!!//////
キョーコは急に恥ずかしくなって来て…思わず自分の身体を ぎゅっと抱き締めた。
『…………………………//////』
…カインとセツカで過ごしたあの日の未遂の夜から…もう絶対にあんな行為は有り得ないと思っていたのに――…。
まるで…本当に夢の中にいたのではないかと…今でも錯覚しそうになる――…。
…とても…とても…気遣いしてくれて…凄く…優しく…宝物のように大切に私の事を扱ってくれた…。
* *
「…愛してる…。…愛してるよ…キョーコ……。だから…俺はキョーコと…ひとつになりたい……いい…?」
「…キョーコ…キョーコ…大丈夫…?入ったよ……。 俺達…今ひとつに繋がってるんだ――…。」
* *
あの逞しい肉体美や額から滴り落ちる汗の雫…僅かに吐息の中から漏れる艶のある声…。
…快楽を感じながらも余裕が無くなって来て眉間に皺を寄せた時の表情――…。
ダメーーーーー!!キョーコ…!それ以上思い出しちゃ……!!!
キョーコは悶えながら床に転がりたい衝動に襲われたが、バスルームの為にそれは出来ず…代わりにお湯の中に潜って顔を隠した。
あんなに…あんな風に…愛されて…身も心も――…。
…これから…それが…普通になるの……?
…こんな幸せ…あってもいいの…?
『………………………//////』
まだどう接していったらいいのかはよく分からないけれど…でも…とても嬉しい――…。
そして…暫くして漸く気持ちが落ち着いてきた所で…そろそろ髪の毛を洗う事にした。
『もう…それにしても何であんなに色気があるのよ…!!あれは反則なんだから……/////』
すると…キョーコがそう言ったと同時にバスルームのドアがカチャッと開く音が聞こえ、中に蓮が入って来た。
「…ん…?…何が反則なの…キョーコ……?」
『きゃああぁ…つつつ敦賀さん……!!どうしてここに…!入って来ちゃダメですよーー!!』
「…ごめん…恥ずかしいなら照明を暗くするから…。どうしてもキョーコの身体が心配で――…。」
蓮は不安そうな顔でそう言うと…照明のスイッチを暗くしてから軽くシャワーを浴び、キョーコのいるバスタブの中へ入った。
「…別に…やらしい事をしようと思って入って来た訳じゃないよ…。………。いや…少しはそう考えちゃうけど…」
「でも…それは男だから…仕方ないよ…そう思っちゃうのは…」
『………………………//////』
蓮は広いバスタブの中でキョーコの後ろに回ると、彼女をそっと優しく抱き締めて…耳元で囁き始めた。
「…もう血は出ない…?辛くない…?身体…。」
「女の子の身体はとてもデリケートだから――…。」
キョーコは蓮のその気遣いの言葉に…胸がキュンと高鳴りながらも静かにコクンと頷いた。
もう…貴方は一体…どれだけ私の事を大切に扱ってくれるんですか――…?
「何か…少しでもいいから不安な事があったら…どんな事でもいいから…俺にちゃんと言って…?相談して…?」
「…これから約束だよ…キョーコ――…。」
『…はい…分かりました…約束します――…。』
そうして…約束をした後…貴方は優しく微笑みながらバスタブから出て…私に手を差し伸べた。
『おいで…キョーコ…。髪…洗ってあげるから――…。』
そして…お風呂から出た後は私の髪をドライヤーで優しく乾かしてくれた。
…人の温もりを近くで常に感じている事は初めてで…気持ち良くて…居心地が良くて…。
気が付いたらそのまま…うとうと…と夢の世界に入りそうになってしまったけれど…何だか幸せ過ぎて眠るのがもったいなくて…
必死に目を擦って…眠らないように頑張っていたの――…。
スキビ☆ランキング