Hidden Enemy30 | The Lilies And Roses

The Lilies And Roses

当ブログはスキップビートの二次小説ブログです。
作者様・出版社様には一切関係はございません。
また文章の無断転載等はご遠慮下さい。

自由にのんびりと書きたいお話を載せていきたいと思います。
Laylaの完全自己満足&文章力UPの為の修行場です(´∀`)

※このお話は33巻からの続き未来のお話だと思って下さい。本誌とはズレが出て来ます。


…キョーコ……。

今日の出来事を…俺は一生忘れない

俺にとって宝物のように大切な思い出になった

リックを演じて…俺を心の闇から救い出してくれた君

愛し合って…肌で感じた温かい君の温もり――…。


そして…神秘的な虹色に輝く光のベールの下で

愛しい君と…永遠の愛を誓い合った今日の事を――…。




その日の夜は10月下旬にしては気温が低く、珍しい記録的なオーロラの日となった――…。



* * *




永遠の愛を誓い合った2人は…その後冷え切った身体を温める為に家の中へ戻った。

そして暖炉の側にあるソファーに座り…カーテンを開いて暫く窓からオーロラを眺めていた。

蓮はその間も座ったまま後からキョーコを大切にぎゅっと抱き締め…ずっと離そうとはしなかった。

カインとセツカの時とは安心感が全然違うわ…。あの時は…たとえ身体は同じでも…貴方は”私自身”ではなくて”セツカ”を抱き締めていたから――…。

キョーコはドキドキしながらも…本当の”自分自身”をぎゅっと抱き締めてもらえている事が嬉しくて、蓮に安心して身を委ねていた。

そうして…気が付けば時計の針は9時を回り、キョーコはお腹が空いて来た。

『…つ…久遠さん…』

「ん…何…キョーコ………。」

蓮は甘い色気のある美声で…キョーコの耳元でそっと囁くように返事をした。その艶のある甘い声にキョーコの動悸が激しくなる…。

きゃあ…みみみ耳っ…!私の右耳が……!前から思っていたけど…敦賀さんの声って…低くて…何だかとてもセクシーな良い声しているのよね…/////

『あ…あの…オーロラはとても綺麗なんですけど…私…お腹空いちゃいました…。』

「…そういえば…まだ晩御飯食べてなかったね…俺達…」

『敦賀さんは相変わらずですね…!お腹空かないんですか?えっと…何かご飯になりそうな食材は…』

キョーコは蓮から離れてキッチンの方へ行き、冷蔵庫や棚などに使えそうな食材が無いか調べ出した。

『あ…!鶏肉と卵と…野菜も結構ありますね…!これくらい揃っていれば普通に何か作れそう…』

「…キョーコ……。」

蓮は自分から離れていったキョーコを再び自分の腕の中に閉じ込めた。

『つつつ…久遠さん…?!どうしましたか…?』

「…血が出たのに…本当に動き回って大丈夫なの…?もう痛くない…?休んでいた方が…」

蓮の心配そうな表情に…キョーコの胸はキュンと高鳴った。

もう…本当に…どれだけ貴方は私の事を大切に扱ってくれるんですか――…?

『…大丈夫ですよ…もう痛くありませんし…。それに…その…とても優しくして下さいました…から////

キョーコはまるで林檎のように 顔を真っ赤に染めながら…話を続けた。

『私…こんな”幸せ”…感じた事ありません…。貴方に…まるでお姫様のように大切に扱ってもらえて――…。』

「”まるでお姫様のように”じゃなくて…キョーコは俺にとって”本物のお姫様”なんだよ…?」

蓮はそう言うと…キョーコの手の甲に優しくキスをした。

…その後 蓮は無言でそっと彼女の手を下ろし、キョーコの唇を見つめながら…顎に手を添えてゆっくりと自分の唇を近づけていった。

優しくお互いの唇が重ね合わさった後、蓮は親指でキョーコの顎をくいっと押し…僅かに開いた彼女の口の中に自分の舌を侵入させた。

始めは優しかったキスも…舌を絡め合う度に段々と激しさを増していく――…。

……ッ………ん……ぁ…

息継ぎの度にキョーコから吐息混じりの声が漏れ、そして角度を変えて更に熱いキスを交わした後に…

蓮は愛おしくて…どうにかなりそうなくらいに切ない表情でキョーコを見つめながら静かに囁いた――…。

「…愛してる…キョーコ…。もう…この先何があっても…絶対に離さないし誰にも渡さない…。君は生涯…俺だけのモノだ…キョーコ――…。」

そう言うと…蓮はキョーコを強く…強く抱き締めた――…。

「…だから…キョーコも…俺だけを見続けて…?俺から…離れていかないで…?絶対に――…。」

蓮のその言葉に…キョーコの瞳から涙の雫が静かに零れ落ちた。

『…離れるなんて…そんな事…ありえません…。私は…生涯…貴方だけのモノです…』

そして…キョーコは蓮の胸の中で…そっと…恥ずかしそうに囁いた…。

『…愛しています…久遠さん…この先どんな事が起こっても…私は貴方のモノで…貴方も私のモノですよ――…。』

改めて愛を誓い合った2人は…暫くそのまま抱き締め合っていた――…。




* * *




その後…2人で一緒に料理を作る事にし、キョーコは食材を並べながらメニューを考えていた。

『う~ん…。鶏肉と卵がたくさんあるので…それメインの料理になりそうですね…』

キョーコがそう言うと…蓮は…少し苦笑したような顔をしながら話始めた。

「…本当はね…今日…君に会う前に…”マウイオムライス”を作って食べようとしていたんだ…。」

『・・・・・・・・・・・・・へ・・・?あの・・・例の・・・”怪物”ですか・・・?』

「うん…気合いを入れようと思って…。だけど…気分が悪くなって告白出来なくなりそうだったから…やめた」

キョーコは可笑しくなって思わず噴出しそうになってしまった。

『・・・そうだったんですか・・・・・・?』

「うん…////」

蓮は…少し恥ずかしそうに顔を赤らめながら話を続けた。

「前に作った時に…君にケチャップでラッキーナンバー”8”を書いてもらっただろう…?」

『あ…はい…覚えています…』

「実は…あれは本当は””(無限)って意味だったんだ――…。」

『・・・・・・
”(無限)・・・・・ですか・・・?

「うん…。昔…リックに教えてもらったんだ…。好きな子に掛けてもらう…特別な”魔法”」

『え…ええぇぇ…?!/////』



今だから思う事だけど

あの時 君に掛けてもらった魔法は

本当に凄く効き目があった――…。


愛してる…。 愛してる…キョーコ――…。

こんな言葉では…表現しきれないくらいに――…。



『…じゃあ…今晩はオムライスにしましょうか…!今回は…美味しくなるように…私が作り方教えてあげますね…?/////』

「…ありがとう…また文字書いて…俺に魔法を掛けてくれると嬉しいなぁ…」

蓮はキョーコの腰にそっと手を回して…切なそうな表情をしながら微笑んだ。

『分かりました…!じゃあ リックさん伝授の魔法…私が貴方に掛けてあげますね…/////』



キョーコ…君は気付いていない…。

俺が…どれだけ君の事を深く…愛しているかという事に――…。

愛おしくて…胸が切なくて――…。

想いが通じ合った今…

何気ないこの瞬間が幸せ過ぎて…涙が出そうになる――…。

君を愛する前まで…こんな感情…知らなかった――…。






『・・・・・・久遠さん・・・?・・・どうかしましたか・・・?』

感情が高ぶり…蓮の瞳から静かに涙が頬を伝っていった。

『・・・・・・・・・・・・・・久遠さん・・・?』

キョーコは蓮の突然の涙に驚きながらも…ゆっくりと彼の頬に手を伸ばし…伝っていく涙を優しく手で拭っていった。

「…ごめんキョーコ…。何だか…幸せ過ぎて――…。」

「…こんな感情…何て言葉にしたらいいのか…俺には分からない――…。」

その後 感情が高ぶった蓮の瞳からは…まるでエメラルドの宝石のように美しい涙の雫が…暫くの間 流れ続けた…。

そして…その間…キョーコはもらい泣きしながらも、蓮を優しく抱き締めたまま…彼の背中をずっと摩っていた――…。




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