Russian of Secret2 | The Lilies And Roses

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自由にのんびりと書きたいお話を載せていきたいと思います。
Laylaの完全自己満足&文章力UPの為の修行場です(´∀`)

【メロキュンプレゼンツ!!《ハッピー♡プレゼント!!》】

こんにちは~Laylaで~す笑・ 風月様 ピコ様 魔人様~!!
お祭りで素敵な作品がホックホクで幸せいっぱいです~!!
ありがとうございます~♪
私の方も更新頑張りますね~(8~10話ほどに延長??)


 
~Russian of Secret2~



どっ…どうしよう…とうとう「トラジックマーカー2」の撮影現場まで着いてしまったわ…!

2月9日のお昼過ぎに1度ホテルにセツカ用の荷物を置きに行った後、私は現場へと向かった。

…心の中では緊張しながら…でも見た目はセツカらしく、堂々とスタジオ内の廊下を歩いていく。

セツカ…だけじゃなくて…私自身も敦賀さんに会うの久し振りなのよね……。

そして撮影しているスタジオの近くまで来た所で、一旦 足を止めた。

ふぅ~~…。…落ち着くのよキョーコ…!深呼吸して…!

アタシはセツカ…!

アタシは――…。



「セツ…!!」


『きゃあっ…!』



セツカの役に入り込もうとしている最中に、うしろから敦賀さん…カイン兄さんに突然 抱き締められた。

ふっ…不意打ちですよ…!つつつ敦賀さん……!!

「セツ……逢いたかった……。」

…兄さんが…アタシをぎゅっと抱き締める――…。

ドクン…

ドクン…

あぁ…もう…心臓が可笑しくなちゃいそう…!

『…アタシもよ…。兄さん…逢いたかったわ…!』

そう言って私は身体の向きを変えてカイン兄さんの顔を見上げると、彼は優しく微笑んで私のおでこにキスをしてくれた。


…敦賀さんの腕の中は久し振りで…胸がドキドキして止まらないわ…。

「…本物のセツカだ……」

…敦賀さん…何て愛おしそうな顔で…セツカを見つめているんですか…。

そして…暫くじっと見つめられた後、今度は1年前と同じように兄さんはアタシをそっと優しく撫で始めた…。

まるで愛おしくて堪らない…セツカの存在を確かめるかのように
――…。

頬から瞼…鼻…唇…髪の毛…首筋…と触れていっては嬉しそうに微笑む…。

もう…!

私…今…顔赤くなってないわよね…?!///

普通にセツを演れているわよね……??////

「・・・・・・・・・・・・セツ・・」

ドクン…ドクン…


ドクン…ドクン…


っていうか…いつまでなでなでしているんですか…!////

首筋まで撫でた手は…今度は
静かに耳たぶを撫で出して…そしてそっと耳に息を吹き掛けられた。

『ひゃんっ…』

思わず変な声が出してしまって…すると兄さんがニヤリと妖しく微笑み、耳元で囁いた。

「…何だセツ…感じるのはまだ早いぞ…ホテルに戻ったら…じっくりと相手してやるから…」

ななな…なんて言いました?兄さんーー?そして…何だか前より更に色気が増しているような気がするんですけどーー?!

「…ん?何だその顔は…?今ここで相手して欲しいのか…?別にそれでも構わないが…」

そんな事言ってませんーー!

『…もう…兄さん…皆見てるわよ』

や…首筋の方に…兄さんの吐息が掛かるわ…つつ敦賀さん…どこまでするつもりですかーー!


…そんな感じに…暫く心の中でアタフタしていたら…スタッフさんが”次の撮影スタートします”って声を掛けて来て…。

…ふう…助かったわ……と心の中で思ったけれど…でも敦賀さんは私から全く離れようとしてくれなくて…!

もーー!!本当に…人の気も知らないで…貴方は…!

…私の想いがバレてしまうのではないかと…ドキドキよ……。

『…兄さん…?スタッフが呼んでるけど…?』

「……暫く待たせておけばいい……」

このままじゃ私の心臓が持ちません…!!/////

それに敦賀さん…!今日は10日になる前にホテルに戻りたいんです…!ケーキを用意したから…!

『…兄さん!こうしていられるのは嬉しいけど、行って来て!…アタシ今日は早くホテルに帰りたいの…兄さんの為にご飯下ごしらえして来たから…』

『それに…今の続きならホテルに帰ってからゆっくり相手してあげるから…だから…サッサと終わらせて来て…ね?』

「・・・・・・・・・・・・・・・・・。Got it.」(わかった)

ふぅ…咄嗟に思いついた言葉だったけど…にっこりと笑ってそう言ったら、兄さんはやっとカメラの方へと向かって行ってくれた。

…あぁ…本当に心臓に悪いわ…と思いながらも、本音は嬉しくて堪らない。

大好きな敦賀さん…カイン兄さんと堂々とそういう事が出来るから…。
こっ今回のはちょっと激しくて焦ったけど…。

でも…敦賀さんにはちゃんと好きな人がいるのよね…。だから…さっきのも単なる演技…。

…彼にとっては…特に何の意味もない事なのよ…。ドキドキしているのは…私の方だけ――…。

ふぅ~~……と静かに私は深呼吸をした。



そして…スタジオの隅っこの椅子に座り、バッグからノートと鉛筆を取り出した。

昨晩から…色々と考えた末に、私は敦賀さんへのプレゼントに シルバーアクセサリーを手作りする事に決めた。

10日には間に合わないけれど…セツが大好きなカイン兄さんの為に作っても…それなら不自然じゃないでしょ…?


だけど…その後 数時間経っても私はなかなか納得のいくデザインが描けずにいた。

…カイン兄さんと…敦賀さん両方が身に付けても大丈夫そうなデザインって…意外に難しいわね…。

う…ん…。

すぐにデザインは出来ると思っていたのに…!

時間がない時に限って…満足のいく様なものになってくれないのよね…。

かといって…妥協はしたくないし…!それに…村雨さんにも時間を取られてしまったし…。

結局今日はスタジオ内ではデザインが決まらずに、22時過ぎに撮影は終了した。


ホテルに真っ直ぐ帰った後、私は普段より少しだけ豪華なディナーを用意して2人で食べた。兄さんとの再会だから…と理由をつけて。

本当はもっと手の込んだ物を作りたかったけれど…突然だったから…これで精一杯だったわ…。

そして…そろそろ日付けが変わって10日になるわね…!

…さりげな~くセツカとしてカイン兄さんにケーキを食べてもらうのよ…キョーコ…!

昨夜 敦賀さんの好みに合わせて甘さ控えめに作った、小さなココアケーキ。

『兄さん…アタシ久し振りにケーキ作りたくなっちゃって…。見て?美味しそうに出来たでしょ?』

『…兄さん用にも甘さ控え目に作ったのがあるから…一緒に食べましょう…?』

ちゃんと…さりげなくセツカっぽっく振舞って、冷蔵庫からケーキを出して来たのに…!

貴方は”敦賀蓮”として私に返事を返して来た。それも…神々スマイルで…!!

「…ありがとう最上さん…俺の為に…ケーキを作ってくれたんだね…!」

『えっ…つっ…つる…がさん…?あっ…あの……。』

「…本当に…とても嬉しいよ…!」

『いっ…いいえ…どういたし…まし…て////』

どうしよう…私…今 絶対 顔真っ赤になってる…。

「…それに…俺の好みにちゃんと合わせて作ってくれて…とても美味しい」

『あっありがとうございます…あの…無理はしないで下さい…ね…?』

なっ…なんか…素でいるのはとても恥ずかしいんですけど…////

でも…プレゼントの話をするなら今がチャンスね…どう伝えようか悩んでいたから…。

『そっ…それであの…プレゼントなんですが…セツから敦賀さんとカイン兄さんに対して、渡しても違和感ない物を…って考えていたら 今日までに間に合わなくて…』

「…そこまで考えていてくれたの…?」

『えっ…?あ…はっはい…それで敦賀さんとカイン兄さん2人に似合いそうな…シルバーアクセサリーを手作りしようと思って…今デザインを考え中なんです…!』

『バレンタインまでには間に合わせようと思っているので…その…お詫びに…14日に手の込んだ料理も用意しますので…』

「それはとても楽しみだな…!お詫びだなんて…そんな事気にしないで…?」

どうしてそんなに愛おしそうな顔で”私に”微笑むんですか…?

…カイン兄さんがセツに向けるような笑顔を…!

『あ…はいあの…お誕生日おめでとうございます…敦賀さん…』

「ありがとう最上さん…今までの中で1番最高の誕生日だよ」

『……。また…うまい事を…おっしゃって…

もう…本当に敦賀さん…好きな人がいるのにやめて下さいよ…!世の中の女性はコレに勘違いしてしまうんだわ…!////

「それで…どうやってシルバーアクセサリー作るの…?相変わらず器用だね…?」

っていうか…いつまで素のままなんですか…?!もう心臓に悪いから…早くセツに戻りたいんですけど…!!

『あ…はい…この”銀粘土”使うんです。形を作った後に家庭用のコンロ
に専用の網を敷いて、熱を加えれば出来るんですよ…』

「へぇーそうなんだ?楽しみにしているね…最上さん」

あぁ…早く何かセツカに戻れるキッカケを作らないと…!

でもまぁ…プレゼントが間に合わない事をうまく伝えられたのは…良かったわ…。




* * *


今日久し振りに君に逢う事が出来た。それも…カインとセツカとして。

俺は…朝からずっと待ちに待って…時計ばかりを気にしていた。…別に何時に来るって…聞いてもいなかったのに。

そして…君の姿を見つけた瞬間は…気が付けば思わず ぎゅっと抱き締めていた。

久し振りに彼女の温もりを感じた――…。

「…本物のセツカだ……」

…本物の最上さんだ――…。

驚かせてごめんね…?でも君は気付いていない…。

俺がどれだけ君を…愛しているかという事を――…。

だから次はカインとして…愛おしくて堪らないセツカの存在を確かめるかのように、顔中をそっと撫でていった…。

カインの気持ちと…今の俺の気持ちがシンクロする――…。

本当に…本当に君に逢いたくて堪らなかったんだよ…。

そして…少しでも君に俺の事を”男”だと意識して欲しくて…感じて欲しくて…ワザと耳に息を吹き掛けてみた。

『ひゃんっ…』

だけど…君のその声に…逆に俺の方がやられてしまった…。

この先…感じさせていったら…どんな啼.き方をするのか…暴いてみたい欲.望に駆.られた…。

正直な所…スタッフが声を掛けて来て良かったと思う。カインの役に入っていると…触れ合える分…暴走もしやすい。

それなのに…”今の続きは後でホテルでゆっくり相手してあげるから”って…。

最上さん…それ…ちゃんと意味分かって言ってる…?

…どうせ君の事だから深い事は考えずに言ったんだろう…?

全く…どうしてくれようか…この天然純情娘は…?相変わらず俺を無意識に煽.るのが上手い。

そう言って…俺の中のカインが仕事へ向かいたくなるように促すんだから――…。





…いつもは酒と煙草で過ごして…寝るだけだった部屋も…君がいるだけで全然違う部屋に感じた…。

そして…”最上さん”が”敦賀蓮”の誕生日の為に…まさか手作りケーキを用意してくれているとは思ってなくて…。

しかも”セツカ”を演じながらさりげなく…”カインである俺”に…。とても感動して…思わず”敦賀蓮”に戻ってちゃんとお礼を伝えたくなった…。

その上…君は俺に手作りのアクセサリーを作ってくれるって…?豪華な料理も…!

セツとして渡しても可笑しくないように…色々と考えてくれていた事が分かっただけでも…凄く嬉しいのに…。

そのまま”素の俺”で抱き締めたくなって…危なかったな…。

でもそれはちゃんと…俺のこの想いを告白してからにしないと…。

14日までにはバレンタインデー用に頼んでいる…彼女へのプレゼントがこのホテルに届くし。

それに…最上さんも14日に俺にプレゼントくれるって…言ってたし…。

バレンタインだし…彼女も もしかしたら他も何かチョコ…とか考えていてくれてるのかもしれない…と少し期待してしまう…。


…最上さんは英米でのバレンタインの風習を…知っているのかな…?

その日まで…ちゃんと…待って過ごそう…。カインの時はスキンシップが多いけど…敦賀蓮の時はしっかりと紳士で…!

とても…君の事が大切だから…傷付けるような事はしたくない。




…最上さん…君は今…

”愛され方”が理解出来なくて行き詰っているんだってね…?

それは…君が育った環境上…仕方ない事なのかもしれない。


だからこそ…

今まで”愛”に恵まれなかった分まで

俺が君の事をとても大切にして…

”愛され方”を教えてあげるから――…。

どうか逃げずに…俺の想いを受け入れて欲しい…。




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