東京バンドワゴンシリーズの最新文庫本です。研人は、高校を卒業しバンド活動一本に絞って本格的にプロミュージシャンになりました。東大に合格した芽利衣ちゃんと夫婦になりました。かんなちゃんとちゃんは、小学二年生になり元気です。医大生の花陽の友達の和ちゃんは、カフェでバイトをしています。隣の敷地では、家の改築工事と賑やかな堀田家です。
そんな年の今回は、春夏秋冬の出来事を綴っています。春は、バンドワゴンの地下と隣の敷地のつながりがひょんなことから割るのですが。夏は、カフェの夜営業を始めた所、文庫本に千円札を挟む客がいたのですが、その真相とは、如何にです。秋は、カフェに来ていた和の高校の後輩という美男子が来店するのですが
冬は、年末年始の空気の中、堀田家に色々な変化が起きます。
以上の4つの話からくる連作短編集です。例によって、幽霊のサチによる下町の季節毎の情景と堀田家の大家族の賑やかな朝食シーンの描写も楽しめます。また、近所の人達の交流もありと楽しめてきます。今回は、最後の話を除く三作がプチミステリーで最後の話は、淋しさもあるけど今後の展開がどうなるのか楽しみにさせられます。全体に相変わらずのハートウォーミングな感じで良かったです。今後も続編が楽しみですね。