BAR追分 | ギッコンガッタン 

ギッコンガッタン 

日々、気の趣くままに綴る雑記帳

 

 

 本屋でBAR追分は、東京は、新宿の街の片隅にある、ねこみち横丁にあります。昼は、食事がメインのバールで、夜は、BARになると言う小さな店です。ここには、人生の岐路において悩む人とか、普段の自分の存在において悩む人々が訪れます。そのような人々と店員や常連の織り成す人間模様を綴った短編集です。

 

 中国への思わぬ出張に戸惑い、退職まで考えた男、シナリオライターを目指しながらうまくいかず、行きがかり上ねこみち横丁に住むことになった男、アイドルの追っかけに夢中な自販機補充員の男、結婚を前に父とのわだかまりに悩む女性、どこか後ろ暗さにあるゴージャスと呼ばれる美人と様々です。

 

 まず、横丁に住む人々の底抜けに人懐っこい人情にあふれる様子に心癒されます。店の料理担当の桃子の料理が食べてみたくなるような風情を感じる描写が良いです。そして、客がこの店の料理やお酒に癒されてまた、日常の人生に向き合っていく様が爽やかに描かれていて心地よく読めてきます。続編があるという事なので楽しみですね。