ハーバードの女たち | ギッコンガッタン 

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日々、気の趣くままに綴る雑記帳

 

 

 亡き母の蔵書にあった本を読んでみました。題材は、80年代の前半期にアメリカを代表する名門ハーバード・ビジネス・スクール(HBS)を1975年に卒業した女性の入学前の経歴と卒業後のことをレポートした本です。

 

 75年は、初めてHBSの卒業生中の女性が10%を超えた年でした。つまり、アメリカでいよいよ世に言う男性と伍して企業戦士として出世競争を勝ち抜こうとするキャリアウーマンの存在が無視できなくなりだした時期でした。

 

 著者も女性でアメリカの大手新聞社であるウォールストリートジャーナルの記者です。つまり、同じ働く女性としてキャリアウーマン達の実像を何人かの女性を本人と時に対面したインタビューを交えて書いています。

 

 HBSは、アメリカのビジネススクールの中でも一番の厳しい部類に入る所です。そこを卒業したエリートな女性たちの話です。やはり、今もそうですが家庭と仕事の両立の面や男性中心の企業風土に格闘する様子が大きく描かれます。

 

 そして、まだ女性の社会進出がアメリカでも本格的になりだした時期のパイオニア的存在であるためか、その苦闘ぶりが伝わってきます。また、世間が思っている以上にキャリアウーマンが内面が強い人ばかりでもないこともわかりました。

 

 この本が世に出てから40年ほどが経っています。この40年で女性の社会進出は、世界中で大きく進み日本でもそうでしょう。

ただ、根本的な問題は、まだあり日本では、会社の上層部にいる女性は、今でもかなりいの少数派です。

 

 ただ、男性の私の目からしてみても、著者もHBSの卒業者もいずれもすごい環境で働いていることと、そんな強い女性を支えている伴侶の存在も含めて凄いと思えました。著者がインタビューアーとかなり深い所まで切り込み面白く読めたいい本でしたね。