令和2年度 登録電子海図情報表示装置講習

 

本校における電子海図情報表示装置講習(ECDIS講習)も順調に進んでいます。

 

講習は終盤に入り、航路計画(ルートプランニング)と航行監視(ルートモニタリング)の

手順について演習を行っています。

 

自分達で作った航路(ルート)を検証し、危険な箇所がないかチェックします。

船の性能やコンディションが決まっていることもあり、思うようにいかないようです。

 

根気よく危険箇所を修正していきます。

 

ECDISだと簡単に航路を作ることができますが、自船にとって安全な航路であることが

重要になります。うまく修正できています。

 

シミュレータを動かし、実際に自分たちが作成した航路を航行しています。

航行中、アラート(警報)が鳴ったり、GPSが故障するシナリオにより、幅広い演習が

可能です。

 

この日は学校の航海計器室を使用して、レーダとAISの重畳を確認しました。

 

ルートも作成しました。

演習を重ねてきただけあって、ルート作成も検証もスムーズにできました。

 

さっそく操船シミュレータを稼働し、モニタリング(航行監視)を開始しました。

 

レーダ、ECDIS、操舵、そして船長と担当を決めて操船します。

各担当部署で得た情報を船長へ報告しながら、安全に航路を航行する訓練です。

 

船長は各担当者からの情報とモニターからの情報だけで操船を指示します。

各担当者は即座に正しく情報を提供しないと、衝突事故を起こしてしまいます。

 

担当を入れ替えながら、関門海峡を航行しました。

東流4ノットの潮流に苦戦していたようです。

 

ECDISからアラートが出るとすぐに確認し、船長へ報告します。

「船長、航路逸脱警報です!」、「取り舵15度!コース240度!!」

衝突や乗揚げしないよう、皆懸命になっていました。

 

モニターの様子はプロジェクターでスクリーンに映し出されるため、

控えている者も緊張感を絶やすことなく、参加することができます。

 

果たして、無事に関門海峡を抜けられたのでしょうか。

 

講習の締めくくりは修了試験です。

全員合格点に達しましたので、皆に講習修了が認められます。

この修了証を免許申請する際に提出することで、海技免許の能力限定を

解除することができます。

つまり、ECDISを搭載した船舶でも、航海士や船長になる事が可能となります。

※講習修了証は卒業時に発行されます。

 

宇和島水産高校専攻科は昨年から国土交通省の登録を受けています。

施設にも恵まれ、専攻科生も真剣に取り組んでくれて良い講習となりました。

この講習を活かし、皆さんが卒業後活躍してくれることを期待しています。