食べ歩きって本当に楽しいな、と思うのは、この店のように、普段の私なら絶対、絶っっっっっ対に入らないような店に出会ってしまう時なのだ。
日本橋三越のすぐ横に位置する中華料理屋こんどう軒は、以前テレビでカレーラーメンが紹介されていたので、ずっと訪問してみたかった店である。しかし、訪れて私は驚いた。「日本にこんな店があったのか」と。これが香港や上海の路地裏だったら驚かないけど。まず物凄く古い。そして何ていうか、汚い。でも雰囲気があるんだな。鄙び感に。普通この店見たら、OLは入らないよ、絶対。店員のやる気も微妙だし、こういうゆるさって、久々に実感した気がする。創業は何と大正5年だそうだ。老舗の中に入るんだろうけど、いわゆる"老舗"とは定義が違う気もしないでもない。レトロ、という言葉も違う気がする。
カレーラーメン (600円)
お店に入って、カレーラーメンを頼んだのだが、何故か後から来るお客さんもみなカレーラーメンをオーダーしている。(たまたまかもしれないけど。) 具は肉と玉ねぎのみのシンプルさだが、お肉はバラっぽい肉と、カレースープの底の方に溜まっているそぼろ状のものと2種類入っている。玉ねぎは細いくし型に切ってあり、炒めてあるのか、半透明でシャッキり感が残っている。スープの味は、何故か甘い。一体何の甘さなのだろう。全くもって不明である。スープはトロみはそんなになく、スープ自体はカレー味がしっかりついている。中華風のダシがベースになっているのだが、カレーとのマッチングはそこそこいい。麺はまあ普通の細麺で、スープの絡みもまあ普通。味はおいしいか不味いかでいえば、おいしいと言っても差し支えないくらいの位置かなぁ…。カレーラーメンよりも、とにかく店構えの方が衝撃的だったけどね、私的には。
店名：近藤軒 [こんどうけん]
最寄：日本橋
住所：東京都中央区日本橋2-6-7
電話：03-3271-9184
営業：11:00～21:00
定休：土曜