読書感想になります。

 

「進路格差 〈つまずく生徒〉の困難と支援に向き合う」

 

底辺高校や教育困難校について、お馴染みの先生の著書。

 

今回は、困難校の悲惨な実態というよりは、格差ということで上位校やトップ校との違いについて比較の本。

そのため、トップ校や上位校がどんな実態か?に関する話も載ってます。

 

ちなみに私の出身高校は市内ではトップ校でしたが、県内では上位校だな。偏差値70に届いてなかったし。当時の東大合格者も何十人という単位ではなく10人前後。1クラスに1人くらいでした。そして今も市内トップであることに変わりないんですけど、東大合格者は、県内トップ校に完全に持って行かれた感じです。

 

私の過去話はともかく、トップ校や上位校。どちらも主な進路は進学。トップ校は旧帝国大や早慶で占められ、上位校になると偏差値の高い大学は減り専門学校進学や突然の家族の不幸などで就職する者もゼロではないですが、多くは4大。

中堅校から、進学先で4大が減ってきて、短大や専門、そして就職。

教育困難校になると半分が就職になります。

 

で、著者が言いたいのは、就職や進路に関してです。

 

教育困難校卒の子達の離職率の高さ。

片や、公務員の高卒枠は、それこそ上位校以上の学校で諸事情で進学を諦めた子によって独占状態。

そりゃ勉強したかったけど諦めた頭の良い子の方が、就職試験で受かりやすいですよね。

そもそも勉強嫌いの子が簡単にパスできる就職試験ではありません。特に公務員試験は。

 

それと、高3の就職活動の実態。私は、この本で初めて知った。

「1人1社」なのね。高校受験の専願と同じ。こんな制度があったのか・・・

 

離職率の高さに、この制度が関係してるのでは?という問いかけ。

それと、教育困難校の子達が進む専門学校。

中堅校の子達が選ぶ、手に職系とは違い、ファッション感覚で学校を選んでる子達が多いようです。

著者は、好きや夢だけで安易に将来の進路を描いていないか?それは良いことか?と疑問を投げかけています。

それこそ、「好きこそものの上手なれ」が通用しないケース。

私が今までブログで取り上げたこの逆バージョンは、それこそレオナみたいな、才能があるけど嫌いというパターン。

一方で、ダラダラ好きで続けても職業にするのは難しいよね?と。下手の横好きで、それを職業にするのは無謀。

それを気付かせ、出来ることを職業にさせるのは残酷だろうか?という話。

 

すぐ離職してしまうと、次はアルバイトやパート三昧になって、非正規雇用を転々とする貧困層の出来上がり!になってしまいます。

 

それと教育困難校から大学へ進む子たち。要はFラン大なんですけど、著者は「教育困難大」と呼んでいます。

こちらの生徒は情熱がなく、とりあえず大学へ・・・という子も多いらしい。就職先も中小企業が多く地元から出ない。

無論、地域を支える重要な層ではあるのですが、大企業に比べると格差は存在し離職率は高いです。

 

それと奨学金の問題も取り上げてました。

夢ばかり追いかけて、結局、夢破れて離職。結果、奨学金という借金が残る。

奨学金の種類も、私はよく知らなかったんですけど、今は給付型もあるのね。

しかし、利息なしの1種や給付型は、やっぱ情熱も学力も高い層によって独占状態。当然っちゃ当然なんですけど。

結果、キラキラした夢ばかり見てる教育困難な層が、利息も払う奨学金を利用。結果、返済出来ず、奨学金制度も切迫してきているのでは?と。

 

著者は、あまり度直球な表現はしてませんが、大学全入時代とか危惧してますね。そういう意味では昨今の私立無償化もですけど。

低学歴であることを見下す社会も、どうかと。

逆に言えば、無理に大学へ進んで、結局、高卒の仕事をするよりは、最初から高卒で高卒の仕事をした方が良いのでは?

要は、向き不向きを、よく考えようって話になってくるかと思うんですよ。

一方で、差別するのは違うよね。逆差別も然りで。

教育困難な層が高学歴な層を嫉妬し引き摺り落とすのも違うと思うし。

 

 

 

私立無償化といえば、最近、こんなニュースもありました。

 

 

少子化で学校の統廃合のために、ある意味、使えるとも言えるのかも?

公立で最底辺な教育困難校が潰れるかもしれません。しかし、そうなると中堅校に、そんな子たちが集まるのでは?

さらには、私立が公立化してお金をかけなくなるんでは?という危惧もあります。

 

実際、高校ではなく専門学校の話ですが、生徒を金蔓としてしか捉えてない学校の存在も著者は指摘してたし。

無償化すると私立高校でも、そんな学校が増えるのでは?

 

発達に問題がある子などを指導する面倒見の良い学校をどう存続させるか?

出来る子だけを集める学校だけになると、荒れた子は闇社会に吸収されかねない。社会的な問題は解決しない。先延ばしになるだけではないかと。親の躾の問題だけでは済まされないようにも思います。

私が思うに、鬼を増やさないためには、どうするか?も、これからの教育の課題ではないのかな。

そうしないと闇社会にいる人の子供が、公立の義務教育課程で暴れる危険がありますよ? 鬼も、鬼の餌食になる子も、これ以上、増えて欲しいとは思えません。

 

 

 

パリといえばどんなイメージ?

▼本日限定!ブログスタンプ

あなたもスタンプをGETしよう

 
 
 
熊先輩と黒豹先輩は、そんなはみ出し者の子たちを救いたい立場かな。
 
それとラギーやレオナは最底辺を見た立場。レオナはお忍びですが。
そしてラギーは最底辺から脱出。
私からすると、そんなif設定かな・・・
 
 
追記)
 
タイムリーにも、こんなXポストがあったよ。