読書感想になります。

 

「ツキノワグマのすべて」

 

写真が多く、子供から大人まで読める内容です。

 

研究本を読むと、エッセイというかストーリーというか、これを調べたら、こういうことが分かって、次に分からないことが出てきて、新たに調べる・・・といった流れが分かって面白いんですけど。

実際のクマの排泄物の写真が、カラーでたくさん載ってて、それを目にすると、また違うな〜と。

これが、現地で、臭いや質感まで分かると、さらに違うんだろうな・・・。

 

というわけで、クマさんの姿だけでなく、痕跡に関する写真も大量に載っててお勧めです。

排泄物も、食べた物別に、カラー写真の一覧が並んでます。

それこそ、液果を食べた後の排泄物だと、種子がびっしり未消化。

一方で、肉食の後だと、食べた動物の体毛も。

 

その他、痕跡に関する写真では、樹木別に爪痕の写真も。

木登り得意ですしね。

そして樹木の樹皮によって爪痕も変わってきます。

 

あと、面白かったのが、首輪にかけたカメラによるデータ。

木の枝から見た山の景色とか、ホント、クマさんは木登り得意だし、木の上で果実を食べたり休んだりしてるんだな〜と改めて、この本を読んで思ったり。

それと、メスから見たオス個体とかね。木の上で、木の下で待ってるオスを見下ろすメスというシチュ。

あとオスから見たメス個体も。色々、クマ視点だと、どんな世界が広がってるのか?

面白い写真が載ってます。

 

 

 

 

特筆すべきは上記の感想なんですが。

他にも基本的なツキノワグマに関する話も。

 

着床遅延とかね。夏に交尾するけど、出産は冬。これはヒグマも同じかと思いますけど。

受精卵が胚盤胞状態で休眠。これ、実は人間の不妊治療でも体外受精の場合、胚盤胞で凍結可能。何か哺乳類の共通点?とか思ってしまいます。面白いですね。

 

他にも、クマ類の進化に関する話。ヒグマとツキノワグマ、意外と遠縁だった!

ヒグマはシロクマと近縁。

そしてツキノワグマは、マレーグマなどと近縁・・・

この系統関係は、この本で初めて知ったかも。

 

ヒグマとツキノワグマが同所的に存在してた時代もあったらしいですが・・・おそらくその頃のツキノワグマは、それこそネコ科で言えば虎と豹みたいな関係だったみたいですね。下手するとヒグマに狩られる存在。

 

 

そうそう、写真の話に戻るけど、背こすりの写真も多数ありました!

バルーとか思っちゃったな〜。

あと、クマにひっくり返された岩の写真とか。要はアリの巣目当てですね。これもバルーだな〜